「判決は不当」上訴=無期懲役受けたウイグル人学者

2014/09/25
更新: 2024/04/22

【大紀元日本9月25日】新疆ウイグル自治区中級法院(地裁)は23日、ウイグル人経済学者イリハム・トフティ氏(45)に対し、国家分裂罪で無期懲役と全財産没収の有罪判決を言い渡した。同氏の弁護士は24日、判決不当とし無罪を求めて上訴したことを明かした。

弁護士によると、イリハム氏は「ウイグル族と中国の未来のために声を上げた。憲法で示されたウイグル族の権利は尊重されねばならない」と話した。また「判決に不服。抗議する」と述べ無罪を強く主張している。

トフティ氏は中央民族大学経済学の講師で、長年ウイグル族と漢族の相互理解、寛容、平和的対話を呼びかけ、民族独立を主張していない穏健派。同氏は今年2月20日、公安当局に逮捕された。

トフティ氏は言論交流サイト「ウイグル・オンライン」を主催してきた。2009年、同区ウルムチ市で死者192人を出す大規模騒乱が起き、暴動を煽動したとして同年7月に拘束された。釈放されたものの、以後、当局からの監視が続いていた。

中国国内のインターネットには、「今後も新疆で流血事件がいっそう増えそうだ」「この国には真の自由はない。明日はわが身かも」など、ウイグル自治区の情勢安定を不安視する書き込みが多い。

中国外務省の華春瑩副報道局長は24日の定例記者会見で、トフティ氏の判決に各国から批判が出ていることに対して「中国の内政と司法に関する乱暴な干渉」と述べた。

記者会見では、イリハム氏を、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃運動を主導して投獄された南アフリカの故マンデラ元大統領と同様ではないか、との質問が出た。これに対して同局長は「マンデラ氏は南アフリカの民族的英雄。イリハム(氏)は中国の司法機関が判決を下した犯罪分子」と切り捨てた。

(翻訳編集・叶子)

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