習主席の訪米

習氏の訪米直前、中国軍機が米軍機に異常接近 外交を撹乱する中国軍

首脳会談前の軍暴走、過去にインド進軍

 習主席の訪米中という敏感な時期に、中国軍は不可解な行動を起こした。似たようなケースが昨年9月中旬のインド訪問時にもあった。ナレンドラ・モディ首相と会談する一時間前、中国軍がカシミールの実効支配線を越えてインド側に侵入したのだ。そのため会談の冒頭、ナモディ首相が中国軍を引き上げるよう習に要求した。

 習主席のインド訪問前、両国のマスコミは関係改善の期待感を伝えていた。中国軍の侵攻はそれを裏切った。中国の行動は意図的なものであると、米経済誌フォーブスは評論で解説している。

「目的は何か? 中印間の友好に賛成しない者はいったい誰なのか?」。習主席が政権を握ってから反腐敗キャンペーンを行い、数十人の高官を含め、数千人の共産党幹部を失脚させた。「反対者は中国内部高層にいるようだ」とフォーブスは記した。

 インドに入った中国軍は中国七大軍区の一つ、蘭州軍区所属の兵士だった。蘭州軍区は、江沢民派の軍部大物・郭伯雄氏が長く務め、権力基盤を築いた。

 インドから帰った直後、習主席はすぐさま軍の幹部を集め、演説した。「指揮命令系統の統一や党指導部の決定の完全な履行」を強く訴えた。またその後、当局は数回にわたって軍高級将校の大幅な人事調整を行い、一部分の将校を摘発するなど、軍の粛清にさらに力を入れた。

 共産党中央政治局は今年7月末、収賄や職権を乱用したとして、郭氏の党籍を剥奪し、検察当局に送致を決めた。

 今回の異常接近事件も、習近平政権の行いではなく、重鎮の失脚で勢力を弱めながらも、いまだに最大の反対勢力であり、政変計画を打ち出す江沢民派の計画だと分析できる。

 中国の政治闘争を知る米政府は、主席訪問を目前に控え、今回の異常接近について非難を避けた。そのため、国内の世論や共和党から反発を招いた。両国首脳が、このトラブルを最小限に抑えようとしていることは、今回の米政府の静かな対応からも伺うことができる。

(翻訳編集・張楊/佐渡 道世)