11月30日のIMF理事会で、人民元がSDR構成通貨に採用される見通しとなった(AFP)

人民元のSDR採用 象徴的意義しかない

 象徴的な意義しかない

 一方、多くの専門家は中国人民元SDR構成通貨に採用されることは象徴的な意義しかなく、実際には人民元は国際通貨としての役割がまだ果たせないという。

 北京大学国家発展研究院の徐遠教授が9月末に国内ニュースサイト「澎湃(The Paper)に寄せた評論では「IMFSDR発行総額が2040億単位で、2870億㌦(約35兆3010億円)規模に相当する。しかし世界の準備高総規模が11兆4千億㌦(約1402兆2千億円)で、SDR総額がその2・5%しかない。また世界の準備高のうち、ドル建てとユーロ建て資産がそれぞれ64%と21%を占める。SDRは準備通貨ではなく、外貨準備不足となった国がIMFSDRを渡すことで流動性を補充されることができるとの緊急事態措置で、外貨準備を必要とする国はわざわざSDRを貯める必要がなく、直接ドルとユーロ資産を貯めることにするだろう」とし、「したがって、人民元SDR構成通貨バスケットに加わることは実はそれほどの利点がなく、中国の外貨準備構成と金融政策に直接かつ実質的な影響はない。もし何かの良いことがあるとしたら、それは中国のメンツを保つことができたに過ぎない」と指摘する。

 香港紙「東方日報」によると、米資産運用会社インベスコ・リミテッド社チーフエコノミストの祈連活氏は「人民元SDR構成通貨バスケットに採用されても、今後各国中央銀行は外貨準備として人民元建て国債を増やす可能性は低いだろう」と指摘し、米ドル建て国債(米国債)が依然として各国中央銀行のベストチョイスで「なぜなら、米国債は民間機関投資家も取引できるし、深く、かつ流動性の強い市場で自由に取引できるため、人民元はまだまだ程遠く及ばないのは明白だ」と示した。

 人民元が真の国際通貨になるには、中国政府がこれまでの厳格な管理体制をやめ、資本市場の自由化をはじめとする金融改革をどれだけ真剣に進めていくかにかかっている。IMFと米国、イギリスなど先進国が人民元SDR採用を支持した本当の狙いは、それをきっかけに中国の経済金融ないし政治体制の改革を促すところにあるのだろうか。しかし、8月中国株式市場の暴落後、中国政府当局の過剰な市場干渉が未だ記憶に新しい。中国経済が世界経済の中ですでに重要な影響力を持っている以上、世界各国の期待を裏切らなければいいのだが。

        (翻訳編集・張哲)