世界の債務、第1四半期は過去最高更新し247兆ドル=IIF

2018/07/11
更新: 2018/07/11

[ニューヨーク 10日 ロイター] – 国際金融協会(IIF)が10日公表したリポートによると、第1・四半期の世界の債務は247兆ドルと、前年比11.1%増加し過去最高を更新した。

総生産(GDP)に占める債務の比率は318%と、2016年第3・四半期以来初めて上昇した。

IIFは「世界の成長は勢いを幾分失っており、ますます強弱が混在するようになっている。米国の金利は着実に上昇しており、多くの成熟した経済を含めて信用リスクに対する懸念が改めて表面化している」との見方を示した。

内訳は家計、非金融機関や一般政府部門の債務が186兆ドル。金融機関が過去最高の61兆ドルだった。IIFは、非金融セクターの債務増加は問題になり得るが、10年前のような債務危機に発展する見込みは低いと述べた。

新興市場の債務は2兆5000億ドル増の58兆5000億ドルと、過去最高だった。

IIFは、指標金利の上昇を背景に変動金利の債権者に対するリスク増大に直面していると指摘。新興国市場の社債の10%以上がこのアセットクラスに固定されているとした。

IIFのソニア・ギブス氏は「多くの新興国市場は銀行融資への依存度が高く、借り入れコストの上昇分は企業や家計に転嫁される可能性がある。そのため、この変動金利での借り入れという観点からみると何らかの隠れたリスクが存在する」と述べた。

成熟経済の変動債務に対する依存度はさらに高く、G7ではカナダが18%、米国とイタリアが38%となっている。

*本文中の表現を修正しました。

Reuters
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