中国の3月新規人民元建て融資、1.69兆元 予想を大幅に上回る

2019/04/13
更新: 2019/04/13

[北京 12日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)が公表した3月の新規人民元建て融資は1兆6900億元(2515億9000万ドル)と、前月から急増し、予想を大幅に上回った。

中国当局が銀行に中小企業向けの融資を促していることが背景。

ロイターがまとめたアナリスト予想は1兆2000億元だった。2月の新規人民元建て融資は8858億元だった。

1─3月の銀行融資総額は5兆8100億元と、記録的な高水準。中銀の金融緩和の効果が出始めたことが浮き彫りとなった。

3月のマネーサプライM2伸び率は前年比8.6%。市場予想の8.2%を大幅に上回った。2月は8.0%だった。

3月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.7%増と、約3年ぶりの高水準。市場予想は13.4%増、2月も13.4%増だった。

アナリストの間では、今年の景気減速を抑制するには与信の拡大が必要だが、銀行が融資基準を緩和すれば不良債権が拡大する恐れがあるとの懸念も浮上している。

キャピタル・エコノミクスはリポートで「人民銀行の金融緩和を背景に信用の伸びは底入れしつつあるのではないか。ただ、景気が急激に回復する可能性は低い」と指摘。

ギャブカル・ドラゴノミクスの中国担当エコノミスト、Chen Long氏は「信用の伸びは、中国経済の先行指標だ。底入れ後、数カ月経たないと、他の活動の底入れが起きない可能性がある」との見方を示した。

ロイターのアナリスト調査によると、人民銀行は年内に預金準備率をあと150ベーシスポイント(bp)引き下げる見通し。

3月末時点の社会融資総量残高は前年比10.7%増の208兆4100億元(31兆0300億ドル)。

社会融資総量には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれている。

人民銀行は、社会融資総量の算出方法を修正し、金融機関の資産担保証券や融資の償却も社会融資総量に加えている。

3月の社会融資総量は2兆8600億元。2月は7030億元だった。

*内容を追加しました

Reuters
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