貿易収支、3月は2カ月連続の黒字 対中輸出は9.4%減=財務省

2019/04/17
更新: 2019/04/17

[東京 17日 ロイター] – 財務省が17日発表した3月貿易統計速報は、貿易収支が5285億円の黒字だった。黒字は2カ月連続。ロイターの予測中央値は3722億円の黒字だった。金属加工機械や液晶デバイスの減少などから、中国向け輸出は9.4%減少した。

3月の輸出全体では前年比2.4%減の7兆2013億円となった。減少は4カ月連続。主な減少品目は鉄鋼(9.6%減)、科学光学機器(12.2%減)、自動車の部分品(7.3%減)。

一方、同月の輸入は前年比1.1%増の6兆6728億円だった。増加は3カ月ぶり。航空機類(67.4%増)が増加した一方で、石油製品(23.6%減)、原粗油(5.6%減)などが減少した。

対中輸出は1兆3046億円で9.4%減少した。金属加工機械や液晶デバイス、半導体等製造装置が減少した。財務省では「昨年3月が過去1位の水準であり、その反動もある。絶対額の水準はそれほど低くない」としている。

中国を含むアジア向け輸出は前年比5.5%減の3兆8099億円。中国向けの鉄鋼や韓国向けの半導体製造装置などが減少した。

一方、対米輸出は前年比4.4%増の1兆4157億円で、6カ月連続で増加した。1500―2000CCの自動車や建設用・鉱山用機械などが増加した。対米貿易収支は6836億円の黒字だった。

対欧州連合(EU)輸出は同7.3%増の8620億円で、英国向けのハイブリッド車や建設用・鉱山用機械などが増加、ドイツ向け自動車などが減少した。

2018年度の貿易収支は1兆5854億円の赤字だった。赤字は3年ぶり。

輸入は前年比7.1%増、輸出は1.9%増で、ともに2年連続増加した。原粗油・液化天然ガスなどの輸入が増加したことで、貿易収支は赤字となった。

対米貿易収支は6兆5260億円、前年比6.7%減で2年ぶりに減少した。一方、中国向けの輸出入は過去1位の水準となり、貿易収支は3兆5815億円の赤字。3年ぶりに赤字幅が拡大した。

*内容を追加しました。

(清水律子)

Reuters
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