大紀元時報

「北京へ帰れ」ジンバブエの住民、中国企業による鉱山開発に反対デモ 

2019年05月17日 15時11分
5月9日、ジンバブエにおける中国企業の鉱山開発に反対するデモで、現地住民の参加者は「北京へ帰れ」とのメッセージを掲げる(Courtesy Columbus Mavhunga)
5月9日、ジンバブエにおける中国企業の鉱山開発に反対するデモで、現地住民の参加者は「北京へ帰れ」とのメッセージを掲げる(Courtesy Columbus Mavhunga)

ジンバブエの首都ハラレでは、地方で開始予定の中国企業による採鉱計画に反対するデモが発生している。

ドンボシャワ(Domboshava)の住民は政府に対して、中国企業・愛華建業による採石場の建設計画に反対する嘆願書を送った。住民らは、この計画は地域の2万人以上の人々、診療所、学校、歴史遺跡、墓地にまで悪影響を及ぼすと訴えている。

各地での中国企業の採掘は、環境に深刻な影響を与えている。大紀元の取材に応じた住民たちによると、これまで開発により悪影響を受けた人々は、ただ泣き寝入りするほかなかった。しかし、この計画を阻止するためにデモが行われたのは、ドンボシャワ住民が初という。

5月6日に行われたデモの参加者のなかには「ドンボシャワから離れ、北京に帰れ」と書かれたプラカードを掲げる人もいた。

ジンバブエにおける中国企業の鉱山開発

中国の愛華建業は、5億ドルの採掘計画で、500人の雇用を生み出すと主張している。しかし、地元の人々は「明るいニュース」と見ていない。住民は、この開発で強制移転や歴史的遺跡破壊などの問題が引き起こされることを心配している。

ドンボシャワの住民で、民主化運動の主要メンバーであるルーク・タンボリーニョカ(Luke Tamborinyoka)氏は、中国企業による投資は、国内の他のプロジェクト同様、地元の利益にならないだろうと大紀元の取材に語った。

「私は、中国の投資がたとえ他のビジネス分野でも、地元に貢献しなかったことを目撃してきた。中国の投資家は、中国から労働力を持ち込み、中国から設備を持ち込む」とルークさんは言う。

4月、愛華建業が採掘権を認められた後、ドンボシャワから約2万人を立ち退かせようとしているニュースが、国内で報道された。

「もし鉱業が国に利益をもたらすとしたら、どうして外国人投資家のために2万人以上の人々が移動させられることになるのか」天然資源ガバナンスの調査者タプワ・オーブレイン・ニャチ(Tapuwa O’bren Nhachi)さんは語った。

オーブレイン氏が所属するNGOは、中国企業がどのようにしてドンボシャワのジンビル鉱山の開発権限を得たのかを調べている。

「鉱山開発の権利を何と引き換えたのか、いったい、誰がそれを許可したのか?」と問いかけている。

ニャチ氏によると、同国のマニカランドでも中国企業・安津投資によるダイヤモンド採掘事業のため、住民が強制移転を強いられ、騒動となった。この開発計画は2016年、ムガベ前ジンバブエ大統領が、ダイヤモンドの略奪が横行しているとの告発を受けて、計画を停止させ、同企業を追放した。

しかし、ニャチ氏によると、この安津投資は、現在再びマニカランドに戻っており、開発機会を模索している。同地区の住民たちは、ドンボシャワでのデモの影響を受けて、デモを始める準備をしているという。

「私たちの憲法では、環境や文化を含む基礎的な国民権利について明記されている。これに基づけば、地域は、持続不可能で破壊的な開発計画に『ノー』と言う権利がある。この権利は政府により尊重されるべきだ」と、ニャチさんは語る。

ジンバブエの議員プロスパー・ムツェヤミ氏( Prosper Mutseyami、政党・民主化のための運動)は2018年、大紀元の取材に対して、中国は同国最大の投資国であり、中国企業は政府から庇護を受けていると述べた。

また、議員は、中国はジンバブエの現政権を支持する数少ない国のひとつであり、政府は中国の気分を害することを恐れていると語った。

資源国であるジンバブエは、これらの搾取による住環境への侵害がしばしばみられる。環境法協会ZELA(Zimbabwe Environmental Law Association)3月報告書によると、最も地域環境を侵害している原因のひとつに、中国企業の開発がある。彼らは、聖地と崇められた山で中国式の寺を建設したり、遺体に敬意を払わないなど、地元には決して受け入れられない行為が見られるという。採石場で洞窟や岩絵の破壊も懸念されている。

中国愛華建業のプロジェクトを取り扱う現地コンサルタント会社によれば、住居の強制移転を伴う計画は8月末頃に工事が始まる。「時間の流れを経て、地域社会と信頼を築くことができるよう、貢献的な事業を提案していく」と現地メディアの取材に答えている。企業は、プロジェクトにより雇用が創出され、道路整備が行われるという。

しかし、前出のニャチさんは、これらは美辞麗句に過ぎないと一蹴した。「地域環境の尊重の観点から、ジンバブエ政府はこの鉱山開発計画を中止させるべきだ。どんな巨額な資金でも、人々の暮らしを買い取ることなど、許されてはならない」

ZELAは最近、ジンバブエ議会に対して、鉱業セクターにおける問題改善を求める請願書を提出した。ZELAは、国内外からの鉱業セクターへの投資が、国法および国際的な義務基準と規定の遵守を保証する法律改正を求めている。

「ジンバブエでの鉱業活動は、国や地域社会の発展のために広く開放されてきた。しかし、先祖代々の土地に住む人々が強制移転させられ、暮らし、社会、文化、環境情況などの改変といった数々の問題が引き起こされている」と、嘆願書に書かれている。

(ANDREW MAMBONDIYANI/翻訳編集・佐渡道世)

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