仏カルフール、中国から完全撤退へ

2019/06/24
更新: 2019/06/24

欧州大手スーパーマーケットの仏カルフールはこのほど、中国本土での事業の80%を6億2000万ユーロ(約758億円)で中国小売大手・蘇寧易購(Suning.com)に売却することに合意した。残り20%も中国企業に売却する意向を示しており、同社の中国事業から完全撤退を意味している。英フィナンシャル・タイムズが6月23日に報じた。

これにより、カルフールは中国市場から事実上撤退する。蘇寧易購は、中国700以上の都市で8881店舗を持つ中国大手スーパーマーケット。

仏メディア・フランス24によると、カルフールは声明で、同社は事業再編を行っており、中国事業は14億ユーロと評価されている。売却の契約は今年末までに完了する見込み。

蘇寧易購との合意で、中国事業の残り20%を売却する機会に関する内容も含まれているという。ロイター通信は6月23日、蘇寧易購との提携を発表後、カルフールは中国のIT大手・テンセントとの中国における非支配株主持分の売却に関する交渉を行ったと発表した。

カルフールは2018年、中国事業の経営不振を改善するため、テンセントとパートナーシップを結んだ。

カルフールは1995年に中国市場に参入し、大型スーパーマーケット210店舗とコンビニエンスストア24店舗を運営していた。2018年の中国での売上高は、2017年から10%近く減少して、36億ユーロだった。

イギリスのメガバンク・HSBCのアナリストは2月、カルフールの中国事業は難しい局面にあると指摘していた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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