大紀元時報

中国軍が障害物を撤去、民主派議員「香港基本法に違反」

2019年11月18日 17時50分
中国軍の香港駐留部隊は16日、香港市内でデモ隊が残した障害物の撤去作業に「自発的に」参加した(スクリーンショット)
中国軍の香港駐留部隊は16日、香港市内でデモ隊が残した障害物の撤去作業に「自発的に」参加した(スクリーンショット)

香港立法会(議会)の民主派議員24人は11月16日夜、香港に駐屯する中国軍が同日午後、九龍塘の駐屯地から「無断で離れた」とし、香港基本法(憲法に相当)と駐留軍法に違反したとの非難声明を発表した。専門家は、中国最高指導部が駐留部隊に命じたと指摘した。

香港メディアの報道によると、16日午後4時半ごろ、中国軍の香港駐留部隊の兵士は香港浸会大学(香港バプティスト大学)の近くの道路で市民とともに、デモ隊が残した鉄柵やブロックなどの障害物の撤去に参加した。駐留部隊の幹部がメディアに対して、兵士らは「自発的に参加した」と主張した一方で、「目的は、暴力と混乱を制止するためだ」と説明した。香港政府は、駐留部隊に協力を求めていなかったとした。

駐留部隊の中国版ツイッター「微博」上の投稿によれば、撤去作業は当日午後5時前に終了し、その後兵士は駐屯地に戻った。

香港の民主派議員らは声明で、香港政府と駐留部隊が基本法と駐留軍法の規定を無視したと批判し、「狙いは、香港市民が中国軍に慣れ、今後の中国軍の行動を合理化することにある」との見解を示した。議員らは、20日の議会で政府にこの問題に関して追及するとした。

一部の香港メディアは、駐留部隊が障害物の撤去に参加したことは「ある種の威嚇と警告だ」との見方をした。

香港基本法第14条と駐留軍法第9条、第11条、第14条では、中国軍の香港駐留部隊は香港の内政に介入してはいけないと定められている。ただ、特別行政区政府は、社会治安の維持や災害救助に関して、中央政府に対して駐留部隊による協力を要請することができる。

議員らの声明によると、駐留部隊は昨年も無断で駐屯地から出て活動した。香港が2018年9月の台風22号による大きな被害を受けた際も、駐留部隊は「公益のため」と主張し、香港政府の要請がないまま、郊外の公園で倒れた樹木などを撤去したという。兵士約400人が参加した。

「今回は自然災害ではなく、完全に香港の内政である」と議員らは反発した。

范国威議員は17日、大紀元の取材に対して、「中国軍は規律が厳しいので、自発的に動いたとは考えにくい。明らかに上層部からの命令だ」と述べた。

時事評論家の李林一氏は、習近平国家主席が駐留部隊に障害物の撤去作業への参加を命じた可能性が大きいと話した。「10月末に閉幕した党の重要会議・第19回中央委員会第4回全体会議(4中全会)の声明では、中国軍は党中央軍事委員会主席でもある習近平氏一人の命令にだけしか従わないと改めて強調した」

中国側は16日の駐留部隊の動きを通じて、「香港の抗議者をけん制する一方、米などの国際社会がどう反応するかを探っている」と李氏は分析した。

(翻訳編集・張哲)

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