週末の香港デモ「総じて平和的」、一部で放火も=警察

2019/12/09
更新: 2019/12/09

[香港 9日 ロイター] – 香港警察は9日、香港で前日実施された反政府デモについて「総じて平和的」だったが、放火や火炎瓶を投げつけるといった治安を乱す行為があったとの声明を発表した。

警察は「総じて平和的だったが、その後、治安を乱す行為が起きた」と表明。「一部の暴徒が高等法院の外壁にスプレーで落書きしたほか、高等法院と終審法院の前では火炎瓶を投げたり、放火する行為が見られた。政府の施設を傷つける行為であり、法の支配の精神に対する深刻な挑戦だ」とし、銅鑼湾や湾仔地区では店舗や銀行が襲撃されたと付け加えた。

香港では8日、政府への抗議デモが実施された。11月の区議会議員選挙で民主派が大勝して以降最大規模のデモで、主催した民主派団体「民間人権陣線(民陣)」の発表によると80万人が参加した。警察は参加者を18万3000人と発表している。

中国の英字紙チャイナ・デーリーは、香港政府に法の支配を守るよう要請する社説を掲載。「多くの香港市民は、過去数カ月、香港で続いている暴力行為と混乱に嫌気をさしている。区議会選の投票率が過去最高となったことは、平和的な意思表示をしたいという市民の望みを浮き彫りしている」と指摘した。

新任の香港警察トップは、デモ活動に「硬軟両様」の対応をする方針を示しており、暴力行為には厳しく対処するが、それ以外の問題については柔軟に対応する姿勢を見せている。

デモ隊は9日のストライキ実施を呼びかけているが、同日朝のラッシュアワーでは、大半の輸送機関がスムーズに運行されており、目立った混乱は報告されていない。

Reuters
関連特集: 国際