北朝鮮は対話要求に返答を、非核化交渉に期限ない=米特別代表

2019/12/17
更新: 2019/12/17

[ソウル 16日 ロイター] – 米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は16日、北朝鮮に対し、米側の対話要求に返答するよう呼び掛けた。北朝鮮が年末を期限に米側に譲歩を求めていることについては「米側に期限はない」と述べ、「あらゆる関心事」について話し合うのに前向きな米側の姿勢を強調した。

韓国の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長との共同会見で述べた。北朝鮮はこのところ、兵器実験を相次ぎ実施し、トランプ米大統領への非難を再開するなど強硬姿勢を強めている。

ビーガン氏は15日に韓国に到着。北朝鮮は米側が年末までに態度を軟化させなければ「新たな道」を選ぶ可能性があると警告しており、ビーガン氏が韓国訪問中に、北朝鮮との接触を模索するとの観測が出ている。[nL4N28P0YC]

同氏は「米側に期限はなく、目標があるだけだ」と強調。「北朝鮮のカウンターパートと直接話したい。私たちはここにいる。連絡手段は知っているはずだ」と語った。

また、北朝鮮が近い将来に大規模な軍事挑発に動くのは「最も役に立たない」シナリオだと指摘。北朝鮮高官らがここ数週間で出した声明はトーンが「あまりにも敵意があり否定的で、極めて不必要なもの」と批判した。

「やり方は変えられる。まだ遅すぎということはない」とした上で、「双方の目的に合致するバランスのとれた合意に向け、実行可能な段階を経て柔軟な交渉を進めるために多数の創造的な方法を私たちは提案してきた」と訴えた。

北朝鮮が今月、対話を開いても米国は「何ら提案を持ち合わせていない」と批判したことなどを踏まえ、専門家はビーガン氏の対話の呼び掛けに北朝鮮が応じる可能性は極めて低いとの見方を示した。[nL4N28M3TZ]

韓国・峨山政策研究院のシニアフェロー、Shin Beom-chul氏は「ビーガン氏が年末の期限をはねつけたことは、北朝鮮側から見れば事実上、最高指導者に異議を唱えたことになる」と指摘した。

また、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の韓国首席代表などを務めた千英宇氏は、ビーガン氏の呼び掛けについて、トランプ大統領と直接取引しようとする北朝鮮の試みを妨げる狙いがあるのではないかとの見方を示した。

韓国・慶南大学のKim Dong-yub教授も「米国が会うことだけを目的とした会合を呼び掛ける代わりに明確な譲歩を約束しない限り、北朝鮮は対話に応じないだろう」と述べた。

*内容を追加しました

 

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Reuters
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