「高級白酒4000本」「現金保管専用の部屋」…中国汚職高官の贅沢な生活

2020/01/16
更新: 2020/01/16

中国中央テレビ(CCTV)は1月12日から、中国共産党中央規律検査委員会が反腐敗運動をテーマに作成したドキュメンタリー番組、「国家監察」を放送し始めた。番組は当局から実刑判決を受けた汚職高官らの不正の実態や贅沢な生活ぶりを明らかにした。

12日の初回放送は、王暁光・前貴州省副省長を取り上げた。中国当局は2018年4月1日、王を汚職や司法活動への介入などの容疑で拘束した。2019年4月23日、当局は王に対して20年の懲役刑と1.735億元(約28億円)の罰金を言い渡した。

番組は、面積610平方メートルに及ぶ王の専用豪華「オフィス」を紹介した。これによると、王は貴州省の副省長に昇進する前、同省の遵義市トップを務めた際、自らオフィスのリフォームの設計図を書いた。オフィスには、執務室、リビング、寝室、キッチン、衣裳部屋、ジムなど15部屋がある。リフォームには160万元(約2554万円)以上が投じられた。

また、王は拘束される前、汚職に関わる証拠の隠滅を図った。当局の捜査員は王の自宅で、高級白酒(茅台酒)を貯蓄する部屋を見つけ、なかには4000本以上の茅台酒があった。一部の茅台酒が空になっていたため、王を取り調べたところ、「価格の最も高い物からトイレに流した」という。

中国当局は昨年9月6日、茅台酒を製造する貴州茅台酒集団の前会長、袁仁国の収賄罪容疑の審理を始めた。

12日の放送では、2009年、茅台酒の販売価格が急騰したため、王暁光は袁仁国を通して、家族に茅台酒特許販売店4店舗の経営権を取得させた。王一家は7年間の茅台酒の販売で約4000万元(約6億3856万円)の利益を得た。

袁仁国は、王のほかに、他の省や市レベルの幹部の家族にも茅台酒の経営権を与えた。茅台酒の販売業者や仕入れ業者も、袁に高額の賄賂を贈ったという。

「現金を置くための部屋」

13日の放送は、中国華融資産管理公司(以下は華融)の賴小民・前会長兼党委員会書記を取り上げた。華融は、香港市場上場の中国の国営不良債権処理企業(バッドバンク)である。中国当局は2018年4月、賴に「重大な規律違反の疑いがある」として取り調べを始めたと発表した。2019年2月、当局は賴に対して収賄罪や重婚罪の容疑で公判を開始した。現在も審理中だ。

同番組によると、賴は北京市内に住宅物件を保有している。この住宅は、収賄で受け取った現金を保管する場所となっている。部屋内に数個の金庫が置かれていた。当局はこの住宅から、総額2億元(約32億円)超の現金を押収したという。賴は、当局の反腐敗調査を逃れるために、贈賄側に「現金しか受け取らない」と指示した。賴はこの現金を保管する部屋のことを「スーパー」と呼んでいた。

番組によると、現金のほか、不動産、外国の高級自動車、高級腕時計、金の延べ棒などももらっていた。「最終的にどのぐらいの金品を受け取ったのかは確認中だ。しかし、膨大な金額になることは間違いないだろう」という。

CCTVが放送する「国家監察」は全部で5回。第2回目の放送では、賴小民のほかに、白向群・前内モンゴル自治区人民政府副主席の不正行為と汚職の実態にも言及した。1月16日に最終回が放送される。

(翻訳編集・張哲)
 

関連特集: