大紀元時報

なぜアメリカの若者たちは不幸なのか(上)

2020年02月11日 13時35分
(PublicDomainPictures/Pixabay)
(PublicDomainPictures/Pixabay)

これは、不幸度の統計数字である。

•    1946~2006年にかけて、アメリカ人男性(15~24歳)の自殺率は4倍に、女性は2倍に増えた。

•    1950年、アメリカ人の自殺率は10万人のうち11.4%だったが、2017年には14%に増えた。

•    ミネソタ州矯正局のグラント・デュー氏によると、1980年代に起きた銃乱射事件(24時間以内に4人以上が銃撃で亡くなるケース)は32件だった。一方、1990年代は42件に増えた。銃規制が今よりも緩かった1950年代は1件、それより50年前の1900年代はゼロである。

•    ロイター2019年の報道によると、「アメリカの大学生の間で、自殺願望、深刻なウツ、自傷行為が過去十数年間で2倍以上」増えている。

サンディエゴ州立大学のジーン・ツエンジ心理学教授はこれを見て、「若者たちに深刻な変化が起きている」と警告している。

この調査結果が当てはまるのは、アメリカ人だけではない。社会問題専門家のケイ・ヘイモウィッツ氏はCity Journalへの寄稿文の中で指摘する。「肥満や喫煙のように、孤独で多くの人々が亡くなっている…国連の世界幸福度レポートによると、ドイツ人は孤独だし、美食家のフランス人も、世界一幸せと言われている北欧の人たちも孤独である。日本の場合、孤独死が蔓延している。日本の地元紙は、一人暮らしの老人が亡くなった後、何カ月も放置されていたケースを報じている」

歴史上、人類がここまで物質的な豊かさを享受したことはない。医療保険、健康、生活環境、教育水準は劇的に向上し、寿命も飛躍的に伸びている。しかし、人々は(特に若者たちは)これまでになく不幸を感じている。

なぜ、こうなったのだろうか?

これには、いくつかの理由がある。薬物乱用が増えたことや、携帯電話などの使用により人間同士の触れ合いが減ったことなどが妥当な理由かもしれない。

一方、理由の一部と考えられるのが、競争社会、学校の成績、資本主義、収入格差だ。さらに地球温暖化も加わって、若者たちは未来への希望が見いだせないのである。

その中でも最大の理由は、過去半世紀にわたってわれわれが失ったもの、つまり、価値観と人生の意味である。

価値観とは何か

アメリカは、他の西洋社会と同じくユダヤ教およびキリスト教、そして「アメリカ人」という二つの価値観で成り立っている。この二つが、歴史的に最も自由で、チャンスの多い、世界一豊かな国家を成立させた。これは、極端な愛国主義でもなんでもない。これが事実であり、世界中で認められている。だから、フランスはアメリカに(アメリカだけに)自由の女神像を送ったのである。従って、世界中の多くの人々がアメリカに移住したがるし、今でもそうなのだ。

アメリカの価値観の一つは、「政府を最小限にすること」だった。こうすれば、非政府組織(キワニスクラブ、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、ボーイスカウト、教会など)が成長する。これらの組織を通してアメリカ人のコミュニティーが形成され、人々は必要なサポートを受ける。しかし、政府が大きくなると、多くの非政府組織は縮小し、衰退する。

もう一つは、「中産階級」あるいは「ブルジョワジー」の価値観である。つまり、結婚して子どもを持ち、家族を形成し、生活を維持するための仕事を持つ。自発的な修養、自制心、愛国心である。

これらの価値観がアメリカで衰退している。

例えば、5人のうち1人の若いアメリカ人は、父親との接触がない(亡くなった父親は含まれない)。

2011年、72%の黒人の子どもたちは未婚の母のもとに生まれた。1965年当時は24%だった。2012年、29%の白人の子どもたちの母親は未婚である。1965年当時は3.1%だった。

ミレニアル世代(米国で1980~2000 年頃に生まれた若者)の元に生まれた子どもの母の多くが未婚である。2018年のシグナ・スタディーによると、シングル・マザー(ファーザー)はアメリカで最も孤独だという。

結婚と家族は、多くの人々にとって最大の幸福である。しかし、近年、結婚しないアメリカ人が急増している。未婚者数が史上最大となり、また晩婚化により子どもの数も減っている。1960年、25歳以上で黒人の独身は9%だった。2012年、この比率は40%に増加した。

次に、私は「なぜアメリカの若者たちは不幸なのか(下)」で、人生の意味の喪失について述べる。

執筆者紹介
デニス・プレージャー(Dennis Prager)

アメリカの保守系ラジオ番組司会者、ライター。保守派の観点から、政治、経済、哲学的な問題について発言している。

この記事は英語版大紀元への寄稿記事です。

(大紀元日本ウェブ編集部)


 

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