新型コロナ、米の死者3000人超に 軍病院船がNY市の医療支援へ

2020/03/31
更新: 2020/03/31

[ニューヨーク 30日 ロイター] – 米国で30日、新型コロナウイルスによる死者が3000人を超えた。ロイターの集計によると、この日の死者は少なくとも540人。死者は累計3017人、感染者は累計16万3000人以上となっている。米国の感染者数は世界最多。

感染者が特に多いニューヨーク(NY)市の病院には、既に受け入れ上限を超えて患者が殺到しており、これらの病院を支援するため、米海軍の病院船「コンフォート」が30日、マンハッタンに到着した。同船(病床数1000)では、新型コロナ感染者以外の治療に当たり、手術や救急診療も提供するという。

NY市のデブラシオ市長はコンフォート到着を受け、「戦時のような雰囲気の中、全ての人が団結する必要がある」と発言。同船派遣についてトランプ大統領や連邦政府、米軍に感謝の意を示した。

NY中心部のセントラルパークでは29日、仮設病院の建設も始まり、68床のベッドが提供される。デブラシオ市長によると、31日に患者の受け入れを開始するが、予約が必須となる。

NY州のクオモ知事は記者会見で、州政府が介入してNY市内の公園を閉鎖する必要があるかもしれないと指摘。公園に出歩く人々の数を減らす当局の取り組みが効果を出していないからだという。

トランプ大統領は30日、既に100万人以上の米国民が新型コロナの検査を受けたと強調した上で、ウイルス封じ込めに向け、引き続き4月いっぱい社会的距離の指針に従うよう国民に訴えた。 

ただ、100万人という数字は全米人口の3%に満たず、今後検査を受ける人が増えるにつれ、感染が確認されるケースも増える可能性が高い。

一方、ホワイトハウスの新型コロナ対策顧問を務めるデボラ・バークス氏はNBCの番組で、「われわれがほぼ完ぺきに対応すれば、(新型コロナの)死者は10万─20万人の範囲に収まるだろう」と述べた。

米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は前日、死者が同水準に達する「可能性」があると述べていたが、バークス氏の発言は、10万─20万人は上限というよりもむしろ下限と示唆した格好となった。

米国では、これまで新型コロナ感染者が急増したワシントン、ニューヨーク、カリフォルニアの各州以外でも感染が拡大しており、同日はメリーランド、バージニア両州の知事と首都ワシントンのバウザー市長が市民に自宅待機を指示した。

*内容を追加します。

Reuters
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