[ワシントン 3日 ロイター] – 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、連邦当局が国内の新型コロナウイルス感染者と死者数を過大に報告しているとのトランプ大統領の主張を否定するとともに、ワクチン接種が加速しているとの認識を示した。
ファウチ氏は、ABCニュースの番組で「死者は本物の死者だ」と強調し、満床状態の病院とストレスを抱えている医療従事者は「偽物ではなく本物だ」と続けた。
トランプ大統領は、ツイッターに「中国ウイルスの米国内の感染者数と死者数はかなり誇張されている」と投稿。外国の多くは「非常に不正確で低い数字を意図的に公表」しているのに対し、米疾病対策センター(CDC)は外国と比べて「ばかげた判定方法」を採用しているからだとした。
米国の公衆衛生政策を指揮するアダムス医務総監も、トランプ氏の主張に反論。CNNの番組で「公衆衛生の観点からこれらの公表数を疑う理由はなく、人々は死者数だけが問題ではないことに気づく必要がある」とし、入院者数と病床数を気にするべきだとした。
ファウチ、アダムス両氏はともに、国内のコロナワクチン接種は出だしがゆっくりだったものの、ペースが速まっているとの楽観的見方を示した。これまで接種を受けた人数は420万人余りと、2020年末までの政府目標の2000万人を大きく下回っている。
ファウチ氏は過去72時間に120万回分のワクチンが投与されたたとし、1日当たりの平均が約50万回分になったと指摘。1日の投与数を100万回に引き上げることが可能だとの見解を示し、連邦政府と州政府との連携強化を呼び掛けた。
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