米国務長官、台湾との高官レベル交流に関する規制撤廃

2021/01/11
更新: 2021/01/11

[ワシントン 9日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は9日、台湾との政府高官級の接触規制を解除すると表明した。台湾を自国の一部とみなす中国の反発は必至だ。

ポンペオ国務長官は声明で、国務省では外交官などによる台湾側との交流に関する複雑な規制が数十年の間に作られたと指摘。

「米政府は北京の共産党体制をなだめる目的でこのような措置を取った。本日、わたしはこうした自主規制をすべて解除すると発表する」と表明した。

トランプ政権は、バイデン次期政権が発足する前に、対中国強硬政策を打ち出しており、今回の措置もその一環とみられる。

ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア専門家ボニー・グレイザー氏によると、台湾当局者は米国務省に入ることが許されず、ホテルなどで面会しなければならない。同氏は「バイデン次期政権はこのような決定が政権終了目前に下されたことを不満に思うだろう」と述べた。

バイデン氏の政権移行チームの関係者は、バイデン氏は大統領就任後、台中問題を台湾市民の要望と最善の利益に沿う形で「平和的解決」を支援し続ける方針だと述べた。

台湾はポンペオ長官の発表を歓迎。蕭美琴駐米代表は「数十年にわたる差別が解消された。米台関係にとって意義深い日だ。どのような機会も大切にする」とツイッターに投稿した。

台湾の安全保障関連当局者はロイターに対し、近年の米国の対台湾政策のなかで最大の修正だと評価し「地域問題や国際問題について米台が協力を強化している現状を反映している」と述べた。

Reuters
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