大紀元時報

中国共産党の技術窃盗とサイバー侵入に対して世界諸国で高まる懸念

2021年04月18日 12時09分
(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)
(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

世界各地の国家安全保障当局は中国共産党(CCP)による重要な技術、知的財産(IP)、個人データの窃盗活動が深刻化している現状について警鐘を鳴らしている。

2021年3月下旬、台湾国家安全局の胡木源(Hu Mu-yuan)副局長が発表した内容によると、データや技術の調達を目的とする中国共産党の違法活動により、インド太平洋諸国の中でも特に日本と韓国における脅威が高まっているだけでなく、公正な取引環境が損なわれつつある。

ロイター通信の報道では、胡副局長が、「中国共産党は自国勢力を高めるために他国の知的財産を盗んでいる」とし、「産業の競争力を保護し、経済安保を確保するためには、『紅色供給網(レッドサプライチェーン)』による台湾の主要技術の窃盗やハイテク技術者の引き抜きを防止することが重要課題となる」と述べている。

同月、台湾経済部の王美香(Wang Mei-hua)経済部長も中国共産党によるリスクの高まりについて警告を発している。中国共産党が自国領土と主張する民主主義国「台湾」は、電話や車両といった多くの民生製品・防衛製品に不可欠な半導体、コンピュータチップの主要生産国である。 世界的な半導体不足が5Gや高度演算技術の開発に伴う需要の上昇と相まって、コンピュータチップのサプライチェーンの脆弱性が浮き彫りとなった。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じたところでは、Appleなどのハイテク大手の主要サプライヤーとしての地位を確立している世界最大のチップ委託製造業者「台湾積体電路製造(TSMC)」社は、最近、生産増加に向けて10兆円相当(1,000億米ドル)の投資を行うと発表した。

ロイター通信が伝えたところでは、王経済部長は議会委員会で、「米中技術戦争の影響を受けて中華人民共和国(中国)の半導体産業の発展が妨げられているが、それでも中国本土は産業発展に取り組んでいる」とし、「中国本土がサプライチェーンの自給自足を達成するには、潜入して他国の権利を侵害するという方法が一番手っ取り早いはずである」と話している。

カナディアン・プレス(The Canadian Press)紙によると、ほんの数週間前に同様の警告を発したカナダ安全情報局(CSIS)のデビッド・ヴィニョー(David Vigneault)長官は、国際ガバナンス・イノベーションセンター(CIGI)での講演時に、「誤解のないように言及しておくが、脅威の要因は中国国民ではなく経済、技術、政治、軍事の全側面で地政学的優位性を獲得することを目的とした戦略を展開する『中国政府』である」と述べている。

ヴィニョー長官は、国家ぐるみのサイバースパイ活動により航空宇宙、人工知能(AI)、バイオ医薬品、量子コンピューティングといった重要部門が脅かされていると説明しており、「これが相まって、カナダの知識ベースの経済が危険に曝される。当国の最も革新的な技術とノウハウが喪失するということは、当国の未来が失われるということである」と話している。

同長官はまた、「機密情報の窃盗、ランサムウェア攻撃の実行、混乱発生を目的としたサイバーツールの悪用も増加している」と付け加えている。 2021年3月下旬、政治に特化した報道機関「ポリティコ」の報道では、革新と研究に関する投資協定を中国と調印することで大筋合意している欧州連合(EU)当局にとっては、知的財産の保護が大きな懸念事項となっている。

投資協定を締結するに当たって、欧州連合側は倫理的原則と知的財産や研究の平等な利用権に関する規則を含めることを望んでいるが、中国側はこうした保障措置に同意することに消極的な態度を見せている。 その結果、27ヵ国の加盟国から成る欧州連合の交渉担当者等は、人工知能、5G、量子科学など、国家安保に影響を与える分野に対する共同研究を合意枠から除外することを検討している。欧州連合の某当局者はポリティコに対して、「当面は安全に協力を図ることができそうな分野のみを協定対象とすることを望んでいる」と述べている。

欧州連合が中国共産党の意図に対して懸念を抱いていることを裏付ける証拠も多く存在している。 複数の報道によると、2021年2月下旬から3月上旬の1週間にわたり、企業向け電子メール製品「Microsoft Exchange Server」が大規模なハッキング攻撃を受け、世界で数十万に及ぶユーザーのデータが侵害された。被害者には米国の6万超の組織が含まれる。

Microsoft社は攻撃者を「Hafnium(ハフニウム)」と特定している。Hafniumは主に防衛産業の請負業者、感染症研究者、非政府組織、政策シンクタンク、大学といった米国全土の機関・組織を狙う中国の国家ぐるみのハッカー集団である。 中国共産党に友好的と見られている国や組織でさえ、こうした技術やデータの窃盗から免れることはできない。

日本経済新聞社発行の日本国外向け新聞「日本経済新聞国際版」が伝えたところでは、2019年後半、ロシアの国営コングロマリットであるロステック(Rostec)社が、一連のロシア製兵器や他の軍用装備品を違法に複製したとして中国を非難するという事態が発生した。 ロステック社で知財プロジェクトを率いるエフゲニー・リバドニー(Yevgeny Livadny)主任は日本経済新聞国際版に対して、「中国だけを見ても、航空機エンジン、スホーイ製航空機、デッキジェット、防空システム、携帯型防空ミサイル、パーンツィリ中距離地対空ミサイルの類似システムが複製されている」と述べている。

カナダのヴィニョー長官は2021年2月に行った講演で、中国政権は「世界諸国の安全と主権に直接的な脅威をもたらす活動を行使するために国家権力の全要素を結集している」として、危険性を繰り返し警告している。 同長官は、「諸国は防御体制を強化する必要がある」と主張している。 

(Indo-Pacific Defence Forum)

ご寄付のお願い

クレジットカード決済

※銀行振込での単発寄付はこちら
" async> %>
^