大紀元時報

中国は宇宙ステーション建設に着手 過去実験でスペースデブリが大量発生

2021年5月1日 23時08分
中国は4月29日、独自の宇宙ステーションの基幹施設を打ち上げたと発表した(Getty Images)
中国は4月29日、独自の宇宙ステーションの基幹施設を打ち上げたと発表した(Getty Images)

中国は4月29日、独自の宇宙ステーションの基幹施設を打ち上げたと発表した。いっぽう、日本防衛副大臣・中山泰秀氏は同日、自身のツイッターで「宇宙は中国のゴミ箱ではない!」と指摘し、過去の中国の実験により大量のデブリが発生したとして非難した。中国が宇宙関連技術を加速させるなか、国際的な協調性を欠く姿勢に疑問を投げかけた。

「中国が2007年1月に行ったミサイルによる人工衛星破壊実験により、大量のデブリ(宇宙ごみ)が発生している。専門家によれば、同実験によるデブリの発生は史上最大最悪規模。国際宇宙ステーションをはじめ低軌道を周回する数多くの人工衛星が危険に晒されている」と中山氏は指摘した。

2007年1月、中国は自国の気候衛星に対して対衛星兵器(ASAT)の実験を実施した。米国とソ連に次いで、宇宙空間における物体破壊に成功した3カ国目となった。米国防情報局(DIA)の2019年の報告書「Challenges to Security in Space」によると、実験によって3000個に及ぶスペースデブリが放出されたという。

この実験は世界各国から深刻な懸念が示され、国際的な批判を浴びた。2007年1月18日、米ホワイトハウスは、中国政府に懸念を伝達したことを明らかにした。塩崎恭久官房長官(当時)は1月19日の記者会見で、日本政府として「宇宙の平和利用、安全保障上の観点から、当然のことながら懸念をもっている」と述べたうえで、在北京日本大使館を通じて中国当局に事実関係などについて説明を求めた。日本と米国のほかに、英国、カナダなども同様の懸念を示した。

いっぽう、中国は「今回の実験が適切に行われ、いかなる条約にも違反せず、いかなる脅威にもならない」と主張。2月12日、中国は炎上をけすため、「今後、同様の実験を実施しない」と発表した。しかし、中国は対衛星兵器の実験をやめておらず、2013年初頭に同様の実験によって低軌道上の人工衛星を撃墜した。

中国宇宙技術 軍事利用も

今回、中国が打ち上げたのは、有人宇宙ステーション「天宮」の基幹部分である「天和」。海南省にある文昌衛星発射センターからロケット「長征5号B遥2」により打ち上げられた。宇宙船や実験施設などを10回に分けて発射し、2022年の完成を目標にしているという。中国の宇宙開発は、人民解放軍が主導している。このため、米当局は中国が宇宙ステーションを軍事利用する可能性があると指摘している。

米国家情報長官室が今年4月13日に公表した、米国および同盟国に対する脅威に関する年次報告書によると、人民解放軍は野心的な宇宙目標を拡大している。米国が所有する航空機のセンサーを「盲目化」する機器など、「新たな破壊および非破壊的な対衛星兵器を配備し続けている」と報告書は指摘する。

1967年に発効した「宇宙憲法」とも呼ばれる国連の「宇宙条約」によると、大量破壊兵器を宇宙空間に配備することを禁じており、宇宙空間は全人類に属するもので、すべての国が純粋に平和目的のためにのみ自由に探査し、利用できるとしている。

2020年12月26日、習近平氏は改正中国国防法に署名した。同法では「宇宙空間」を「重大安全領域」と明記した上で、主権や領土のほかに「発展利益」が脅かされた場合は軍民を総動員して対応すると掲げている。

(蘇文悦)

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