ドイツ憲法裁、ECBの債券買い入れ巡り違憲性認めず

2021/05/18
更新: 2021/05/18

[ベルリン 18日 ロイター] – ドイツ連邦憲法裁判所は18日、欧州中央銀行(ECB)の公的部門証券買い入れ(PSPP)に違憲性はないとの判断を示した。

憲法裁は、デフレ脱却に向け2015年に導入された2兆4000億ユーロ(2兆9000億ドル)規模のPSPPについて、連邦政府と議会がECBの政策決定について綿密な評価作業をしたことを踏まえ、訴えには根拠がないと指摘した。

独財務省はこの判断を歓迎。INGのエコノミスト、カーステン・ブルゼスキ氏は「憲法裁はゆっくりだが確実に、ドイツのユーロ批判者が訴える最後の支援者としての役割を失いつつある」と語った。

原告は、ECBの計画がドイツの納税者が支払う資金を危険にさらし、EU条約で定められている中央銀行による財政ファイナンス禁止に違反していると主張していた。

憲法裁は昨年5月、ECBの資産買い入れプログラムを巡り、ECBがプログラムの必要性を説明できなければドイツ連邦銀行(独中銀)に買い入れを停止するよう命じていた。

判決を受けて、ECBはドイツ政府と議会に関係文書を提出。政府と議会はその内容に納得したとされる。

ドイツではほかにも、ECBが新型コロナウイルス対策として導入した1兆8500億ユーロのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を巡り合憲性を巡る訴訟が行われている。

Reuters
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