大紀元時報

蘭アーネム市、武漢市との姉妹都市関係を解消 ウイグル人権侵害に懸念

2021年7月28日 20時28分
2020年3月、武漢市内で撮影(GettyImages)
2020年3月、武漢市内で撮影(GettyImages)

オランダ東部に位置するアーネム市が武漢市との姉妹都市関係を解消した。中国共産党政権による新疆ウイグル自治区のウイグル族に対する人権侵害をめぐって、市議会の過半数の賛成により、武漢市との姉妹関係を解消する議案に賛成した。

1999年以来続いていた武漢市との姉妹都市関係を解消した背景には、オランダ在住のウイグル人難民であるアーメジャン・カシマ氏らの切実な訴えがあった。カシマ氏は他のウイグル人とともに、市議会に先立って行われたデモで議員たちにウイグルでの残酷な実情を訴えていた。

アーネム市長や一部の議員は武漢市との関係維持を望んでいたが、移民推進派のDENK党、緑の党フルンリンクス、社会自由主義政党の民主66、社会党、キリスト教連合、自由党、動物愛護派Party for the Animalsの議員ら過半数が、武漢市との「即時の関係断絶」に賛成する形となった。

アーネム市の各党は中国での大規模な人権侵害が悪化の一途を辿っていることに懸念を示し、「このような状況下で中国との姉妹都市関係を維持することは不道徳である」とした。

フルンリンクスのテュレイ・ゲミチ(Tülay Gemici)議員は、デモに参加していた男性の親戚19人が行方不明になり、4年間会えていないという話を聞き、「アーネム市を巻き込むべきではないという気持ちが強まった」とデモが党の投票に「一役買った」と語った。

カシマ氏は投票の数週間前に、市議会に武漢氏との姉妹都市関係を解消するよう求めていたが、その時点では過半数の議員が姉妹提携の継続に賛成していたため、今回の決議は予想外だったと述べた。

市当局が委託した調査によれば、武漢市との姉妹都市関係による経済影響は、同地域の企業にとって数百万ユーロと数十件の雇用がもたらされたという。しかし、武漢市との提携では、中国からの直接投資は発生していない。

中国は世界的な影響力を高める手段として、世界各地の1400以上の都市と姉妹都市提携を結んでいる。この提携は、中国の 「一帯一路」 構想の枠組みの下で、中国と外国の都市間の協力と交流を促進するものである。オランダは「一帯一路」に署名していない。

政治戦略

オランダ在住のウイグル人アシヤ・ウイグル氏は、中国は1978年の改革開放以来、姉妹都市提携を西欧諸国に「浸透」するための政治戦略として利用してきたという。

同氏は中国との姉妹都市関係の解消が西洋社会でドミノ倒しのように拡大すれば、世界制覇を狙う中国の戦略的計画に大きなダメージを与える可能性があるとした。さらに、今回のアーネム市の決議は「深い意義を持ち、中国にとっては大きな後退である」と述べた。

オランダ議会は2月、中国のウイグル政策は「ジェノサイド」にあたると指定した。

米国をはじめ英国、ベルギー、チェコ、カナダ、リトアニアの民主主義国も、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド」と指定している。

中国は、新疆ウイグル自治区をめぐる国際的な調査や批判に反発し、自国の政策は過激主義に対抗し、地域の安定を維持するためのものだと主張している。

(翻訳編集・蓮夏)

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