WTO小委、米の太陽光パネル輸入制限巡り中国の主張認めず

2021/09/03
更新: 2021/09/03

[ブリュッセル 2日 ロイター] – 世界貿易機関(WTO)の第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)は2日、米国が2018年から太陽光パネルに対して課しているセーフカード(緊急輸入制限)措置は不当だとして中国が提訴していた問題で、中国側の4件の主張を全て却下した。

米国は18年に関税と輸入割当枠で構成されるセーフガード措置を導入した。特定の結晶シリコン太陽電池セルの輸入が、国内産業に重大な損害を与え得るほど増えたと国内の製造業者が訴えたのを受けた。

セーフガードの発動期間は4年間で、1年目は30%の追加関税を課し、その後は毎年引き下げる。太陽光発電モジュールが対象で、輸入割り当て枠を超えた太陽光発電セルにも適用する。

中国は、米国が輸入増と国内産業への損害の因果関係を明確にしなかったなどと主張していた。

米通商代表部(USTR)のタイ代表は、WTO小委の判断を歓迎するとの声明を出した。

トランプ前大統領は太陽光パネルにセーフガードを発動した際に、家庭用洗濯機に対しても期間3年間のセーフガードを導入した。同氏は退任直前の2021年初めに2つの輸入制限を2年延長した。

Reuters
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