アントグループ本社ビル。(STR/AFP via Getty Images)

アリババ傘下アントがメディア事業縮小か 当局の言論統制強化受け

中国政府はこのほど、民間資本の報道業界への参入を全面的に禁止する新しい規定を打ち出した。これを受け、メディア事業に多額な投資を行ってきたアリババグループは、立て続けに各社の株を売却している。

大手ポータルサイト捜狐(Sohu)などは12日、アリババグループ傘下の金融サービス会社アントグループは最近、保有する「財新伝媒(Caixin Media)」の株式をすべて手放したと報じた。財新の株主一覧から、アントグループの名はすでに消えた。

ネット情報によれば、アントグループは2016年、財新伝媒に数千万元(1元=約18円)を出資した。

2009年設立の財新伝媒は王岐山国家副主席と関係が近いとされ、報道統制が厳しい中国で、多くのスクープを出してきた。

9月、アリババグループはテレビショッピングなどを手掛ける芒果超媒(マンゴ・エクセレント・メディア)への投資から撤退した。アリババは昨年12月末に時価62億元(約1100億円)分の同社株式を取得し、第2位の株主となったばかり。

アリババグループは、中国最大SNS微博の30%の株も保有している。傘下にはエンターテインメント企業の華誼兄弟伝媒(Huayi Brothers Media)、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストなどがある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは今年3月、多数のメディアを支配し、世論を操作する力を持つアリババに中国当局は警戒しており、傘下のメディア事業を同グループから切り離す計画があると報じた。

中国国家発展改革委員会は8日、「市場参入ネガティブリスト」2021年版の草案(意見募集稿)を発表し、民間資本の報道業界参入を全面的に禁止する一連の規定を定め、言論統制の強化を図った。

民間企業による新聞社、ニュースサイトの運営などを禁じるほか、政治、経済、重大な社会問題など様々な分野で世論を誘導する活動や実況中継も禁止した。海外メディアのニュースの引用やフォーラムの開催も認めない。

(翻訳編集・叶子)