ブレシア市で予定されている個展のポスター(一部) (バーディユツァオ氏ツイッター)

伊で反体制派アーティスト個展を開催へ 中国の中止圧力押しのけ

イタリア北部のブレシア市政府は22日、中国大使館が中止を求めている反体制派の中国系アーティストの個展を予定通りに開催すると表明した。

政治漫画家として知られている、バーディユツァオ(Badiucao、巴丟草)氏の個展「China is (not)near」は11月13日から3カ月間、同市で催される予定。中国政府の政治的抑圧や、中共ウイルス(新型コロナ)感染症の情報隠ぺいを批判する作品が含まれるとみられ、いずれも中国政府にとって敏感なテーマだ。

上海出身のバーディユツァオ氏は2009年、オーストラリアに移住してから政治漫画の制作を始めた。同氏の作品は主に中国政府の人権弾圧を反映するもので、「六四天安門事件を忘れない」シリーズのほか、中国の現最高指導者・習近平氏を風刺する作品が多い。その漫画の色の基調は主に赤と黒で、赤は恐怖と暴力を、黒は抑圧と絶望を表現するという。

バーディユツァオ氏はSNSで自分のことを「中国共産党に狙われている中国系オーストラリア人のアーティスト」と書き込んでいる。その作品はインターネットで無料公開され、広く拡散している。

NBAのスター、ボストン・セルティックスのエネス・カンター選手がこのほど試合で履いた「フリー・チベット」と書かれた靴は、バーディユツァオ氏がデザインを手掛けた。

2018年11月、香港で予定されていた同氏の個展は「安全上の理由」で中止となった。

ブレシア市の地元紙「ブレシア新聞」によると、中国大使館文化部が同市政府に送った書簡では、バーディユツァオ氏の作品は「中国を誹謗中傷する嘘に満ちている」と非難、個展開催に対する「強い不満」を表明し、中止を求めた。

これに対して、エミリオ・デルボノ市長は中国の要求に従わない方針を示し、「批判しながら友人でいられることを示すのも重要だ」と日刊紙イルフォグリオ(Il Foglio)に述べた。

同市のラウラ・カステレッティ副市長も「私たちにとって、芸術と表現の自由は必要不可欠な組み合わせである」とツイートした。

(翻訳編集・叶子)