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米GE社の元エンジニア、無断で中国の大学で講演 =報道

米検察当局に起訴されている中国人スパイ徐延軍容疑者に対する10月29日の公判で、米ゼネラル・エレクトリック社(GE)の元エンジニアが証言を行った。元エンジニアは徐容疑者の招きに応じ、GE社内ルールに違反して無断で中国の大学で講演したことを後悔した。

徐容疑者に対する起訴状によると、GE社の元エンジニア、デービッド・ジェン(David Zheng)氏は2017年6月、中国軍と関係のある南京航空航天大学でGE社の航空機エンジンについて講演を行った。GE社は社員に対して、海外の大学で講演することを禁じている。GE社はジェン氏の活動を問題視し、内部調査を行い、連邦捜査局(FBI)に通報した。

17年11月、FBIの捜査員はジェン氏の自宅などを家宅捜査し、捜査への協力を求めた。ジェン氏は起訴されないことの見返りに、捜査当局に協力した。ジェン氏は、GE社の内部情報を提供すると徐容疑者をベルギーに誘い出した。18年4月、ベルギー当局は徐氏を拘束し、10月に米国へ身柄を引き渡した。

オハイオ州シンシナティの地元メディア「WCPO」11月1日付では、ジェン氏は10月29日、検察側の証人として公判に出席した。同氏の話によると、当初ビジネス用SNS、リンクトイン(LinkedIn)を通じて、中国の大学教授だと名乗る中国人と知り合ったという。その教授はジェン氏に、中国の大学生に自身の研究を紹介してほしいと頼んだ。ジェン氏は承諾したが、上司に中国訪問の計画を報告しなかった。

「中国へ行く前、GE社内のトレーニング用資料などを自分のパソコンに保存した。誰とも共有しなかった」という。

同氏によれば、南京航空航天大学で講演を行っている最中、プロジェクターにパソコンを接続して資料を投影しようとするとき、パソコンを起動できなくなった。やむを得ず、中国人学生のUSBを自分のパソコンに挿入して、資料をコピーした。その後、別のパソコンにUSBを入れてプロジェクターに繋げ、資料を投影できたという。

ジェン氏は、講演の報酬として3500ドル(約40万円)を受け取った。しかし、同氏の中国訪問は社内規定に違反しており、GE社に解雇された。年収13万ドル(約1478万円)のエンジニアの仕事を失うことになった。FBIの捜査に協力している間、「ウーバーイーツの配達員になり生計を立てていた」という。

米中央情報局(CIA)防諜部門の元幹部、ジム・オルソン(Jim Olson)氏も29日、検察側の証人として出廷した。同氏は、徐容疑者のジェン氏への接近は「諜報活動を展開するスパイの行動であることに疑いはない」「新しいスパイをリクルートする典型的なやり方である」と述べた。同氏は陪審団に対して、徐容疑者のスパイ容疑について有罪判決を下すよう求めた。

徐容疑者の弁護人側は2日の公判から弁護活動を始め、飛行機技術の専門家などを証人として出廷させ、陪審団に対して徐容疑者は中国側のスパイではないと説明する予定。

(翻訳編集・張哲)