ソフトバンクグレープは8日、第2四半期(7~9月)決算を発表した。2021年5月12日(Photo by PHILIP FONG/AFP via Getty Images)

ソフトバンク、中国IT規制強化の影響で赤字「対中投資を継続」=孫会長

ソフトバンクグループの7〜9月期決算では、最終的な赤字は3979億円だった。対中投資で大きな損失を被ったが、孫正義会長兼社長は投資を継続する意向を示している。中国メディアは、ソフトバンクグループは中国政府による情報技術企業規制の最大の「被害者」だと表現した。

ソフトバンクグループの純資産価値(NAV)は、今年6月30日からの3か月で約6兆円減少し20.9兆円となった。NAVに占める中国EC大手アリババ集団の割合は、2020年9月30日の59%から現在は28%まで低下。現在、NAVで最も大きなシェアを占めているのは傘下の投資事業ビジョン・ファンドで、1年前の16%から44%に増加している。

ソフトバンクグループの中国における投資について、孫正義社長は、アリババグループの株価が急落したことに加え、過去3か月で中国の配車サービス「滴滴出行(ディディ)」の時価が急落したことによって、中国における資産が純資産額の36%(9月30日時点)にまで減ったと述べた。

今年4月から半年間の中間決算では、最終的な利益が3635億円と、前の年の同じ時期と比べて80%減少した。孫社長は会見で「中国で稼いだ利益をこの3か月ですべて吐き出した」と表現した。

ビジョン・ファンド事業だけでも、中国における資産額はこの3か月間で約1兆5000億円から1321億円に減少している。現在ビジョン・ファンドの投資先は、中国と米国がそれぞれ19%と35%を占め、他の地域が46%となっている。

ソフトバンクグループは先月、日本のスタートアップ企業に初めて投資したことを明らかにした。孫社長は今後、日本企業の投資先を増やしていく考えも表明した。

中国当局はIT大手など民間企業に対する統制を強めている。このため、アリババと滴滴出行の両社は時価総額が急落した。中国規制当局が昨年11月にアリババの金融子会社アントグループの新規株式公開(IPO)を中止して以降、アリババの株価は約3分の1に暴落している。さらに、アリババは当局から記録的な3000億円もの罰金を科せられている。

中国メディアは、中国政府によるIT企業規制の最大の「被害者」は、ソフトバンクグループであると報じた。孫氏は会見で、現在の状況は「冬の木枯らし、大嵐の中に突入」と述べた。

しかし、説明会での質疑応答で、孫氏は中国市場への投資を継続すると答えた。同氏によれば、ソフトバンクはこの3か月間に中国市場で巨額の損失を被ったものの、そのリスクはまだ管理可能の範囲内だという。