2021年11月15日、北京証券取引所が開業した(Wang Zhao/AFP)

北京証券取引所が開業 専門家「経済への政治干渉を強化する狙い」

中国で新設された中小企業向け証券取引所、北京証券取引所が15日、取引を始めた。専門家は、中国当局は政治中枢の北京市に証券取引所を置くことで、経済への干渉を一段と強める狙いがあるとの認識を示した。

米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北京時間15日午前、北京市トップの蔡奇・市党委員会書記、証券規制当局である中国証券監督管理委員会の易会満・主席らが開業式に出席した。

この日、新規上場の10銘柄を含む81の銘柄が売買された。取引開始直後から、10の新銘柄への買い注文が集中し、株価が急騰したため、取引は2回も一時停止された。このうち、河南省自動車部品メーカー、同心伝動股份有限公司の株価の上昇幅は一時500%を上回った。

同取引所は開業初日に、新規上場の10銘柄に対してストップ高やストップ安という値幅制限を設けなかった。他の71銘柄に関しては、基準株価から上下30%の変動値幅を制限した。

15日の取引終了時、81銘柄の総売買代金は95億7300万元(約1715億円)に達したことがわかった。10銘柄の終値は、発行価格と比べて平均で199.8%上昇した。

習近平国家主席は9月2日、「中小企業のイノベーションと発展」をサポートするとして、北京証券取引所を開設すると発表した。

在米中国人学者の梅鳳傑氏はRFAの取材に対して、「中国当局は北京証券取引所を通じて、金融市場に対する政治的干渉を強化する可能性がある」と指摘した。

同氏は中国経済において「南部が占めるウェイトが大きく、北部のウェイトが小さい」との認識を示した。「北京証券取引所の開設は、この南北経済格差に対する当局の不安を反映した」と述べた。

同氏は、将来より多くの政治的、経済的資源が中国北部に集まると予測し、経済活動に対する当局の干渉や規制がさらに強まるとの見方を示した。

中国メディアは、81の銘柄を地域別に分析した。うち12銘柄は南部江蘇省の企業で、最も多い。2番目に多いのは北京市の企業で、11銘柄だった。3番目に多いのは広東省の企業で、10銘柄が取引された。

北京証券取引所の上場企業の売上高規模は1億~5億元(約18億~90億円)となっている。

金融学者の司令氏は、「多くの中小企業の売上高はその水準に達していないので、北京証券取引所に上場できない」と指摘し、「当局は、金融改革を進めていると見せかけているだけだ」と批判した。

(翻訳編集・張哲)