米下院、ウイグル強制労働防止法案可決 強制労働を徹底排除

2021/12/09
更新: 2021/12/09
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米議会下院は8日、人権侵害を理由に中国新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」を賛成428、反対1で可決した。これまで米政府のウイグル関連の制裁対象は特定の企業や品目に限定されていたが、新法は全面的な禁止を求める。今後、上院通過とバイデン大統領の署名を経て成立する。

法案は、同自治区の輸出品すべてが「強制労働のもとで生産された」と仮定する厳しい内容となった。輸入企業に「強制労働によるものではない」との証明を義務付けるほか、強制労働を助長している海外の団体や個人に対し、制裁を科すよう大統領に要求する。

さらに国務長官には、法案成立から90日以内に、新疆ウイグル自治区のウイグル人や少数民族に対する強制労働やその他の人権侵害が「組織的かつ広範に行われており、人道に対する罪や大量虐殺に該当するかどうか」の判断を下すよう求めている。

上院は7月に同様の法案を全会一致で可決しており、上下両院は早期成立に向けて調整する見通しだ。

ペロシ下院議長は採決前の記者会見で「中国共産党はウイグル族を含む少数民族に対し、投獄や拷問、強制労働などの残虐な弾圧を行っている」と指摘。「米国が商業利益のために中国の人権侵害に声を挙げないのであれば、人権に声を上げる道徳的な権限を失うことになる」と法案の意義を強調した。

下院は同日、中国共産党によるウイグル人や他の少数民族に対するジェノサイドを調査するよう国連に求める決議を可決したほか、中国の女子テニス・彭帥選手を巡る国際オリンピック委員会(IOC)の対応を批判する決議案を全会一致で可決した。

バイデン政権は6日、新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を理由に北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を発表。オーストラリアやイギリス、カナダもこれに追随するなど、中国の人権問題に厳しい姿勢を示している。

山中蓮夏