米テスラ、中国新疆に販売店新設、米議員や人権団体などが猛反発

2022/01/05
更新: 2022/01/05

米電気自動車(EV)大手のテスラは昨年末、中国・新彊ウイグル自治区の首府ウルムチにショールームを新設したと発表した。

中国当局による新疆ウイグル族への弾圧を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定した米政府は昨年12月、新疆からの輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法案」を成立させたばかりだ。

同法が成立した直後のショールーム新設とあって、米議員や人権団体、貿易団体などは「中国政府を支援する行為だ」としてテスラへの批判を強めている。

同法案の共同発議者でもある共和党のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員は3日、「テスラは、中国共産党が大量虐殺と奴隷労働を隠蔽するのを手助けしている」とツイッターに投稿した。

米共和党のリック・スコット(Rick Scott)上院議員も、自身のツイッターに、「(新疆のテスラショールームを)閉鎖せよ」などと投稿した。

米国最大のイスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は4日、ツイッターの公式アカウントに「テスラは大量虐殺を支援している」と投稿し、同社に新疆の販売店の閉鎖を求めた。

同団体のコミュニケーション・ディレクターであるイブラヒム・フーパー(Ibrahim Hooper)氏も声明の中で、「いかなる米国企業も宗教や少数民族に対して大量虐殺が行われている中心地域でビジネスを行うべきではない」と訴えた。

米製造業同盟(AAM)のスコット・ポール(Scott Paul)会長も、「率直に言って、新疆でビジネスを展開するいかなる企業も、その地域の文化消滅に加担している」として、テスラを批判した。

中国で事業を展開する外国企業は、新疆やチベット、台湾などの政治問題に対して立場をとるよう求める圧力が高まっているとAP通信は指摘した。

テスラにとって中国は米国を抜いて最大の市場になっている。同社は昨年5月、中国市場で販売した車両から収集した情報を保存するデータセンターを中国国内に設置した。

米国は昨年12月、新疆の人権侵害を理由に、北京冬季五輪に政府高官らを派遣しない「外交ボイコット」を表明し、英国、オーストラリアなどの同盟国が追随した。

(翻訳編集・李凌)

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