五輪ウエア「中国産の綿は使用していない」IOC監査結果を発表

2022/01/20
更新: 2022/01/20

中国の新疆ウイグル自治区における強制労働により生産された新疆綿が五輪関係者の衣類に使用される恐れがあると指摘された問題について、国際オリンピック委員会(IOC)は19日、「中国産の綿は使用していない」と発表した。米議会はIOCに対し、新疆綿の使用を公言する中国メーカー2社との契約情報開示を求めていた。

IOCは声明のなかで、2021年9月から実施してきた第三者機関による監査で「強制労働や奴隷労働、児童労働」は見つからなかったと結論づけた。問題視されてきた大手繊維メーカーの恒源祥が使用する綿は中国原産ではないとした。安踏体育用品(アンタ)が提供する衣類については、リサイクル素材を使用し「綿自体を使っていない」と主張した。

米議会の「中国に関する議会・政府委員会」は、両社が新疆産の綿使用を公言していると指摘。強制労働はないとする両社の主張を認めた根拠を示すようIOCに求めていた。恒源祥は中国の電子商取引プラットフォーム上で「3000時間日光に照らされた高品質の新疆綿」と自社製品を公然と宣伝していた。

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IOCは声明で、強制労働などの著しいコンプライアンス違反は確認されなかったものの、安全衛生や労働時間、賃金などの違反があったと認めた。各サプライヤーと合意した是正措置プログラム(CAP)を通じて改善しているという。

IOCは監査について、同委員会の製品が製造されている市場について深い知識を持つ、独立した第三者監査会社によって行われたと強調。IOCが監査を依頼し、費用を負担しているとも述べた。

米国は中国・新疆ウイグル自治区での人権弾圧を「ジェノサイド」と認定し、北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を表明している。さらに先月、強制労働を理由に同自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」を成立させた。

米国をはじめ国際関係担当。