サウジアラビア、ウイグル人らを中国に強制送還か

2022/04/15
更新: 2022/04/15

サウジアラビア政府は中国政府の要請に応じ、同国に滞在するウイグル人4人を中国に強制送還する予定だという。ウイグル人権団体はこのほど、送還の中止を求め、各国に駐在するサウジアラビア大使館前で抗議デモを行っている。

ノルウェー在住のウイグル人学者であるアブドゥウェリ・アユプさんが、ウイグル人女性のアウラ・ブヘリキエムさんから最後にメッセージを受信したのは4月9日。 ブヘリキエムさんは2本のビデオメッセージと数本のボイスメッセージで泣きながら助けを求めてきたという。

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」と「セーフガード・ディフェンダーズ」の4日の発表によると、ブヘリキエムさんと13歳の娘は、3月31日にサウジアラビアのメッカで警察に逮捕された。

母娘の他に、52歳のウイグル人宗教学者、ヘムドゥッラー・アブドゥウェリさんとその元夫も今回、強制送還の対象とみられる。彼らは2020年11月からメッカで警察に拘束されている。

アブドゥウェリさんの元夫は、サウジアラビア当局に「中国に送還されるくらいなら、サウジアラビアで死んだ方がましだ」と言ったという。

イスラム諸国、中国政府のウイグル人迫害に協力か

ここ数年、エジプトやサウジアラビアを含むイスラム圏の国々で、現地のウイグル人の逮捕や中国への強制送還が多発している。

昨年12月、モロッコの裁判所は、ウイグル人活動家のイディレシ・アイシャンさんを中国に強制送還するという判決を下したが、国連拷問禁止委員会が阻止した。

亡命ウイグル人の組織「世界ウイグル会議」の幹部は、アラブ首長国連邦(UAE)に「ブラックサイト」と呼ばれる中国の秘密収容所がある可能性も指摘している。

(翻訳編集・叶子静)

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