通販サイトの安価な中国模造品に深刻な健康リスク 基準値930倍の発がん性物質が検出された例も

2024/01/30
更新: 2024/01/30

Temu(ティームー)など中国発のEC(電子商取引)サイトは、激安商品で海外で急成長している。しかし、安価な中国製品のマイナス面も警戒すべきだ。韓国政府は最近、調査を通じて、中国製の模造品には、がんを引き起こす重金属が含まれており、深刻な健康リスクがあると警告した。

韓国関税庁は、過去4年間で模倣品が6倍に増加したことを考慮し、昨年11月6日~12月1日までの4週間で、韓国に輸入された知的財産侵害物品を集中管理した。その結果、14万2930点の模倣品を押収し、そのうち62.3%が中国本土から、27.5%が香港からのものだった。つまり模倣品の約90%が中国からのものということであり、ベトナムの模倣品は10%を占めた。

また、ピアスや財布など直接肌に触れるものが安全基準を満たさない可能性を考慮し、韓国関税中央分析所が直接肌に触れる83製品の成分分析を追加で実施した。その結果、25製品(30%)から基準を超える鉛やカドミウムなどの重金属が検出された。その中には鉛やカドミウムが基準値の2倍~930倍以上検出された製品もあった。

ルイ・ヴィトン、ディオール、シャネルなどのブランド品を模した偽物のイヤリング24点のうち、20点(83%)からカドミウムが検出され、うち3点からは過剰の鉛も検出された。

また、成分分析の結果、模倣品製造企業はコスト削減のため、表面処理にカドミウムを使用しただけでなく、製造工程の主成分として鉛とカドミウムを使用していることが判明した。カドミウムが検出された20点のイヤリングのうち、15点はカドミウムの規制値を600倍も超えており、中には930倍も超えているものもあった。また、シャネルのブローチ模倣品からは基準値の153倍の鉛が検出された。

さらに、一部の偽造バッグや財布からも過剰な鉛とカドミウムが検出された。

米国立がん研究所によると、カドミウムは主に肺がん、前立腺がん、腎がん、膵臓がんと関連しており、乳房と膀胱のがんとも関連している。

米保健福祉省(HHS)は、鉛および鉛化合物が人にガンを引き起こす可能性があると判断している。

鉛は、体内のほぼすべての器官とシステムに影響を及ぼす。韓国関税庁は、偽造品の流通と消費は知的財産権の侵害であるだけでなく、「深刻な健康リスク」であると警告している。

中国首都師範大学歴史教育学科の元准教授・李元華氏は1月29日、大紀元に応じ、中国の多くの商品の価格が非常に安いのは、知的財産権の侵害や盗用だけでなく、コストを下げるために禁止物質や毒物まで使用しているためだと指摘した。これらの商品の多くは粗悪品、規格外品であり、一般消費者が見分けるのは非常に困難だ。

また、これらの知的財産侵害品、粗悪品、有毒品が各国の消費者の手にスムーズに渡ることがないよう、各国は注意と警戒を払い、関税免除を廃止する法規を制定し、オンラインショッピング商品に一定の制限とテストを課すべきだと強調した。

中国製の有害で低品質な製品により各国で被害

中国製の粗悪で有害な製品が数多く発見されているのは韓国だけでなく、世界の多くの国々でも同じだ。

最近、英国の11歳の少女クロエ・ノリスさんは、Temuから購入した人工マニキュアによって大やけどを負った。

少女の母親によると、クロエさんはそのマニキュアを塗った後、突然手が熱くて痛いと言った。痛みが少し治まったので軟膏を塗ったが、翌日には大きな水ぶくれができた。 病院では、皮膚の表面全体がやけどしていると診断された。クロエさんは2回の皮膚移植を受け、医療従事者はやけどは一生傷跡を残す可能性があると述べた。

昨年には、日本人が中国の通販サイト「グローバルエクスプレス」からほくろ除去クリームを購入し、皮膚壊死を起こした事例が発生した。

国民生活センターは昨年12月13日、同クリームに関する報告が多数寄せられ、うち3件で重篤な皮膚障害が発生したと発表した。同じ銘柄名を検査したところ、同商品が「pH14レベルの強いアルカリ性」を示し、重い皮膚障害などを引き起こす可能性があるとして、国民生活センターは使用を中止するよう呼びかけている。

呉歡心
張鐘元
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