2025年3月10日、岩屋毅外務大臣は、閣僚級招へいのスキームで訪日中の太平洋諸島フォーラム(PIF)のバロン・ディバベシ・ワンガ事務局長と外務省で会談を行った。この会談では、地域の平和、安定、繁栄を支えるPIFの重要性を強調し、太平洋島嶼国との協力関係を強化するための対話枠組みを設けることで一致した。
岩屋大臣は、太平洋島嶼国の強靱化は、インド太平洋地域の安定の鍵であるとの考えの下、太平洋島嶼国が直面する「存続に関わる最大の脅威」である気候変動に対処するため、日本が「太平洋強靱化ファシリティ(PRF)」に300万米ドル(約4億4千万円)を拠出することを伝えた。これは、昨年7月の第10回太平洋・島サミット(PALM10)でのコミットメントを実行するものだ。
加えて、岩屋大臣から、日本は太平洋島嶼国地域の一体性とそれを体現するPIFの「2050年戦略」を強力に支持している旨を伝達した。両者は、日本と太平洋島嶼国地域との協力関係をより強固なものとすべく、日本とPIF事務局との間で意思疎通を緊密化するための高級事務レベルの対話を立ち上げることを確認した。
会談では、東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出についても議論された。岩屋大臣は、科学的根拠に基づいて対応し、各国の安心感を高めていく方針を説明した。これに対し、ワンガ事務局長は理解を示した。この会談は、地域の安定と協力強化を目指す日本の姿勢を示すものとなった。
太平洋諸島フォーラム
太平洋諸島フォーラム(PIF:Pacific Islands Forum)は、1971年8月に設立された大洋州の政府間組織で、オーストラリアやニュージーランドを含む16か国・2地域が加盟している。この組織は、太平洋地域の経済成長、政治的統治、安全保障を強化し、地域間の協力を促進することを目的としている。
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