【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

米大豆輸入増を交渉材料に 日米関税協議

2025/04/25
更新: 2025/04/25

政府は、米中貿易戦争で減少した対中大豆輸出の穴埋めを図り、アメリカ産大豆の輸入量を増やす方針を検討している。併せて、トランプ政権に対して対米関税の撤廃を働きかける構えだ。

日米関税交渉を担当する赤澤経済再生相は、4月30日から5月2日までの日程で訪米し、ベッセント財務長官らトランプ政権高官と会談。赤澤氏は「大豆を含む一括パッケージでの協定締結を目指す」と述べ、交渉カードとして大豆輸入の拡大を提示する意向を示した。

日本国内の大豆輸入は民間が担っており、2024年は前年から0.5%増の317万トンを輸入。そのうちアメリカ産が65.7%、ブラジル産23.4%、カナダ産10.4%を占める。政府は「アメリカ産の割合のさらなる引き上げを企業に要請する可能性がある」としている。

背景には、中国による対米農産品輸入の大幅削減がある。2024年にアメリカ産大豆の54.3%を購入していた中国は、今年1月中旬以降、アメリカ産大豆やトウモロコシの調達を凍結し、ブラジルなど他国からの調達を拡大している。中共税関総署によると、2025年3月の原綿輸入量は前年同月比で90%減少。1~3月のアメリカ産小麦も前年同期比1%にとどまった。

報復関税も激化している。アメリカは中国からの輸入品に最大145%の関税を課し、中国側もアメリカからの輸入に対し最大125%の関税を課している。

トランプ米大統領は4月15日、SNSで「われわれの農民は優秀だが、貿易交渉や今回の貿易戦争では常に中国などと並んで最前線に立たされる」と投稿。「アメリカは農民を絶対に守る!」と強調した。

NPRによれば、米大豆協会会長でケンタッキー州の大豆農家カルブ・ラグランド氏は「われわれには貿易と貿易協定が必要だ。短期的な関税は容認できても、長期にわたる関税戦争では農家が耐えられない」と語り、政府に有利な貿易条件の早期締結を求めた。

夏雨