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米中の貿易交渉 どちらが先に動いたのか トランプ大統領が明言

2025/05/09
更新: 2025/05/09

米中貿易交渉を巡り、トランプ大統領は、「交渉開始を求めたのは中国である」と強調し、関税引き下げには応じない姿勢を明確にした。

5月7日、トランプ大統領は、近く予定されている米中のハイレベル貿易会談について、中国側が先に動いたと述べ、自身は中国に対する関税を下げて譲歩する意図を否定した。

米中間で貿易摩擦が深まる中、中国は、「アメリカが関税を撤廃しなければ交渉に応じない」という立場を繰り返してきた。一方で、中国商務部は、アメリカ側が貿易協議に前向きであるとの見解を示し、こうした主張に対し、トランプ大統領は、ホワイトハウスのイベントで、記者の質問に応じ、「彼ら(中国)は、我々が交渉を始めたと言っているのか? それなら自分たちの記録を見直すべきだ」と応じた。

この発言の際、トランプ大統領は駐中国大使デビッド・パーデュー氏の宣誓就任式に出席していた。

記者が、「中国との交渉を促すために、関税を下げる意志はあるか」と尋ねたところ、トランプ大統領は「ない」と明言し、さらに大統領は、「我々はこれまで毎年、中国との貿易で1兆ドル以上を失ってきた。今、我々は何も失っていない。悪い状況ではない」と述べた。

5月6日、ホワイトハウスは、財務長官スコット・ベッセント氏および通商代表ジャミソン・グリアー氏が、5月10日に、スイスで中国の経済高官と会談を行う予定だと発表した。この動きは、激化する貿易戦争の中で、米中が交渉の初手を打つ構図を示す。

これに先立つ5月4日、NBCのインタビュー番組で記者が、「中国側はアメリカが一方的に関税を撤廃しない限り交渉に応じないと言っているが、アメリカは関税撤廃を検討するのか?」と質問した際も、トランプ大統領は「しない」と回答した。「なぜ私がそんなことをする必要があるのか」とも述べた。

また記者が中国側の態度に変化が見られると指摘すると、大統領は「彼らは今日、対話を望んでいると表明した」と応じた。

インタビューでは、米中のデカップリング(経済的切り離し)についても言及し、「我々は中国共産党に対して極めて強硬であり、145%の関税を課している。これほど高い関税を誰も聞いたことがないだろう。実質的に貿易関係は断絶しているが、それで構わない」と語った。

「我々は、完全に中国との貿易を停止した。今は損失がない。これまでアメリカは毎年1兆ドルを失っていたが、今は取引していないため、その損失もなくなった」と説明した。

さらにトランプ大統領は、中国経済が大きな打撃を受け、工場閉鎖や失業率の上昇が発生中だと指摘した。彼自身は当初、中国にこのような状況を望んでいなかったが、アメリカが何千億ドルも失うのを黙認することもできないと述べた。

関税引き下げの可能性については、「いずれその時が来るだろう。そうでなければ、これほど高い関税のままでは、米中の貿易は今後も成立しない」と述べた。

「彼らは本気でビジネスを望んでいる。彼らの経済は現在、極めて厳しい状況にあり、経済は崩壊の瀬戸際にある」との見解を示した。

高杉