5月31日(土)は、中国の伝統行事「端午節(たんごせつ)」だ。古代の詩人・屈原(くつげん)を偲ぶこの祝日には、チマキを食べたり、龍舟(ドラゴンボート)レースを観戦したりと、家族で楽しむ風習が根づいていた。
しかし、そんな心温まる行事を前に、またしても中国の食品業界に激震が走った。
江蘇省宿遷市に住む王さんは、有名ブランド「来伊份(ライイーフェン)」のチマキを購入。子どもに食べさせたところ、中から血のついた絆創膏が出てきたという。SNSに投稿された動画には、異物を手に怒りをあらわにする王さんの姿が記録されていた。
「ハエならまだしも、これは人の血です。子どもが半分以上食べた後に気づいて、吐きそうになった」と、5月10日、王さんは、中国メディアの取材にこう語り、怒りを爆発させた。
問題のチマキは「来伊份」ブランドの蜜棗(みつなつめ)味で、製造元は2021年には市場シェアの37%を誇る「チマキ王」とも称される老舗「五芳齋(ごほうさい)」である。
だが、信頼はすでに揺らいでいた。中国メディア「南方都市報」によると、「来伊份」に関する異物混入の苦情は1,000件以上、毛髪、カビ、石などの異物混入は過去にも多数報告された。五芳齋に至っては、プラスチック片混入やカビを含む4,000件超の苦情が寄せられていた。
王さんは「血のついた絆創膏」発見後、消費者ホットラインに通報し、企業にも連絡を取ったが、ちゃんとした説明はいまもなく、さらに彼女による「血のついた絆創膏入りチマキ」動画はその後、当局の強制により削除されたことがわかった。
(当時の様子)
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