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スイス中銀 政策金利をゼロに引き下げ 欧米主要中銀で約3年ぶりのゼロ金利

2025/06/21
更新: 2025/06/21

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は2025年6月19日、政策金利を0.25%から0%へと引き下げることを発表した。今回の利下げは2022年9月にマイナス金利政策を解除して以来、約3年ぶりのゼロ金利水準となる。欧米の主要中央銀行の中でゼロ金利となるのはおよそ3年ぶりであり、世界の金融市場でも注目を集めている。

SNBはこの決定について、インフレ率の低下とスイスフラン高の進行、そして米国の通商政策による経済の不確実性が背景にあると説明している。実際、スイスの消費者物価指数(CPI)は2025年5月に前年同月比でマイナス0.1%となり、物価が下落している状況が続いている。SNBは「インフレ圧力は前四半期と比べて低下しており、今回の金融緩和でインフレ圧力の低下に対処する」との声明を出している。

今回の利下げは2024年3月から始まった連続利下げの6回目であり、市場の予想通りの内容だった。SNBは3カ月ごとに金融政策を見直しており、ここ1年半は金融緩和を続けている。利下げ発表後、スイスフランは一時的に上昇したが、その後は落ち着いた動きを見せている。

SNBは今後の経済見通しについて、世界経済の成長が今後数四半期にわたって鈍化する一方、米国ではインフレ率が加速し、欧州ではインフレ圧力がさらに低下する可能性が高いと指摘している。また、関税の影響で国際貿易が減少し、米国の消費者の購買力が弱まることも懸念材料として挙げている。

スイスのゼロ金利政策への回帰は、他の欧州主要国にも影響を与える可能性がある。ヨーロッパ中央銀行(ECB)も最近、連続して利下げを実施しており、物価の伸び悩みや景気減速への警戒感が広がっている。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。