7月3日、トランプ氏はプーチン氏と電話会談を行い、ウクライナ情勢のほか、イランおよび中東地域の状況について意見を交わした。
トランプ氏は同日朝、自身が設立したトゥルース・ソーシャルに「午前10時にプーチン大統領と電話会談を行った」と投稿。その後、建国250周年記念式典のためアイオワ州へ向かう途中、記者団に対し「かなり長時間にわたる会話だった。多くのことを話し合った。イラン問題も含まれている」と語った。
また、「ウクライナでの戦争についても話し合った。私はこの戦争に非常に不満を抱いている」と述べ、今回の会談では「進展が見られなかった」と強調した。
会談後、ロシア側は先んじて会話内容の概要を公表。ウシャコフ大統領補佐官によると、トランプ氏は改めて「早期停戦」を求めたが、プーチン氏は、紛争の「根本原因」を排除するという目標を達成するまで戦闘を継続するとの立場を示したという。
ウシャコフ氏は今回の会談を「率直で実務的かつ具体的な内容だった」と評価し、両首脳が今後も早期に対話を継続することで一致したと説明。「プーチン大統領は政治的・外交的な交渉による解決を引き続き模索していくと述べた」としている。
また、ロシアは先月実施された捕虜・戦死者の交換に関する合意について、トランプ氏に進捗状況を報告。プーチン氏は、ロシアがウクライナとのさらなる交渉に応じる用意があると伝えたという。
会談ではイランや中東情勢についても具体的に協議されたが、米露首脳会談の実施や、アメリカによるウクライナへの武器供与停止決定については議題に上らなかったとされる。
今回の電話会談は、トランプ氏が今年1月に大統領に復帰して以降、両首脳による6回目の公表された会話となった。
一方、アメリカ国防総省は最近、砲弾や防空システムのウクライナ向け供給を一時停止すると発表。米軍の兵器備蓄を見直し、他の脅威への対応とのバランスを検討するためとしている。
ロイター通信は関係筋の話として、トランプ大統領が5日にもウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行う可能性があると報じた。
ゼレンスキー氏は4日、記者団の取材に応じ、「トランプ氏とプーチン氏にどれほどの共通点があるかはわからないが、2人はまったく異なる人物だ」と前置きした上で、「ただしウクライナに関して言えば、我々はトランプ氏が提唱する無条件の停戦案を一貫して支持している」と述べた。
ゼレンスキー氏はあらゆる形式の対話に対して前向きな姿勢を示しつつも、「ロシアでは唯一、決定を下せるのはプーチン大統領だ。ゆえに、平和実現には両国首脳による直接交渉が必要だ」と強調した。
トランプ氏は以前から、ウクライナ戦争の早期終結を主張しているが、一方で「双方が条件で合意できない場合、アメリカは交渉から手を引く」とも明言している。先月は交渉の進展の遅さに不満を示し、「ロシアとウクライナが一定期間戦闘を続けた後に、改めて和平合意を模索すべきかもしれない」との考えを示していた。
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