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ルビオ国務長官 訪日 訪韓を中止 中東対応を優先へ

2025/07/04
更新: 2025/07/04

ルビオ国務長官は、7月初旬に予定されていた日本および韓国への初訪問を中止し、中東情勢への対応を優先する方針を示した。

ルビオ氏は来週、東京で石破茂首相や岩屋毅外相と会談し、関税政策、中東情勢、さらに中国・ロシア・北朝鮮などについて協議する予定だった。また、韓国を訪問し、新政権の高官らと会談、さらに7月10~11日にマレーシアで開催されるASEAN外相会合および東アジアサミット外相会議に出席する予定だった。

日韓メディアやロイター通信によると、ルビオ氏は日本・韓国訪問を取りやめ、7月7日にワシントンで行われるトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相との会談に出席することになった。この会談では、ガザ地区の停戦やその他中東情勢が協議される見通し。

この決定は、7月3日に開かれたアメリカ国務省の幹部会議で正式に決定したとされる。

日経アジアは、ガザでの停戦交渉が進展し、ハマスが60日以内に10人の人質を解放し、18人の遺体を返還する方向で調整が進んでいると報じている。

韓国メディア「コリア・ヘラルド」によると、韓国外務省は「アメリカ側からは十分な説明があり、韓国としても理解している」と述べた。韓国大統領府も4日、「訪韓の可能性については継続的に協議していたが、アメリカ国内の状況により、当面の訪問は困難となった」と発表した。

韓国大統領秘書室の禹相虎首席秘書官は、「今回の訪問中止は、貿易交渉や他の外交案件とは関係がない」と強調。韓国外務省の関係者も、「ルビオ氏の訪問は中止されたが、米韓間の高官レベルの対話は継続している」と述べた。

一方、今回の決定については一部専門家から懸念も示されている。米南カリフォルニア大学の国際関係学教授デレク・グロスマン氏は、「ルビオ氏は国務長官と国家安全保障担当の職務を兼ねているが、同時に複数の地域に対応するのは不可能だ」と指摘。そのうえで、「通商交渉が進行し、米軍の一部撤退が取り沙汰されている今こそ、同盟関係の強化が求められる時だ」と警鐘を鳴らした。

一方、米外交問題評議会(CFR)のシーラ・スミス上級研究員は異なる見方を示している。「日本では参議院選挙の時期に入っており、石破内閣にとっては、貿易を含む本格的な政策協議を進めるのが難しい時期だ。今回の訪問延期はむしろ都合がよい可能性もある」と語った。

ベッセント財務長官も、CNBCのインタビューで、「日本は重要な同盟国だが、現在は難しい立場にある。7月20日の参議院選挙を控え、国内の政治状況による制約が貿易交渉を進める上で影響している」と述べた。「日本との合意の行方は、今後の動向に注目する」と語った。

陳霆