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ルーヴル美術館の宝飾品 7分で盗難 元大泥棒「内部に協力者がいる」

2025/10/21
更新: 2025/10/21

パリのルーヴル美術館で19日、近年でも最も大胆な美術品盗難事件が発生した。複数の犯人が白昼堂々、わずか7分で複数の計り知れない歴史的な価値を持つ宝飾品を盗み出した。パリ検察官は20日、当局があらゆる手がかりを捜査しており、犯行グループは個人の収集家の依頼を受けていた可能性、あるいは犯罪収益の洗浄目的で行動した可能性があると明らかにした。

犯行は日曜午前に来館者や職員がいる中で行われた。窃盗犯らは顔を隠し、建設作業員に扮装。吊り籠を使って窓まで上昇し、グラインダーで窓を破壊。その後、円盤型の切断機で宝飾品展示ケースのガラスを切り開き、盗み出した。

事件後、合計9点の展示物が被害対象として特定され、うち8点が盗まれた。残る1点は、ナポレオン3世の皇后ウジェニーの王冠で、犯人らが逃走の際に落としていった。この王冠の価値は数千万ユーロに上るとされる。

4人の窃盗犯らは犯行後、スクーターで逃走した。

パリのロール・ベキュオ検察官は20日の会見で、この事件を「組織的犯罪」とみて捜査していると述べ、犯行は私人の収集家による依頼か、犯罪資金洗浄の一環として実行された可能性が高いと指摘した。もし窃盗犯が独自行動だった場合、宝飾品が溶かされ、貴金属として売却される恐れがあると懸念を示している。現在、捜査員らは現場に残された液体や工具の分析を進めている。

元大泥棒の分析「内部協力者が存在」

かつて宝飾品強盗を行っていたラリー・ロートン氏は現在、警察の捜査に協力している。同氏は、米FOXニュースに対し、この行動は「必ず内部の協力者によるものだ」、または窃盗犯は内部情報を「掌握していた」と断言した。また、犯行グループが展示ケースの「ガラスの厚さ」や「警報器の設置状況」をどのようにして正確に把握していたのかについて疑問を呈している。

ロートン氏は、盗まれた宝飾品はすぐには売却されず「1〜2年は隠匿されるだろう」と推測。その理由として、「最終的に美術館側が事情を問わず、数百万ドル規模の報奨金を出して買い戻す可能性がある」と指摘した。

ルーヴル美術館は、警察の捜査継続のため20日の休館を発表。現在、当局は外国勢力の関与の可能性をほぼ排除している。

李言