トランプ版モンロー主義 中国共産党拠点崩壊 ベネズエラ マドゥロ拘束からホンジュラスまで

2026/01/16
更新: 2026/01/16

トランプ2期目の「ドンロー主義」が炸裂。中国共産党(中共)はベネズエラのマドゥロ氏の拘束、コロンビア転換、キューバ孤立などでアメリカ大陸拠点を次々喪失。ホンジュラス台湾復交の可能性やグリーンランド確保も進行中。新国際秩序の再編が始まる。

2026年は、中共にとって更なる「不運の年」となる可能性が高い。

ベネズエラ 中共の最大拠点 マドゥロ大統領が拘束

最初に崩れたのはベネズエラである。トランプ氏が2期目に入り、マドゥロ氏への懸賞金を5千万ドル(約75億円)に引き上げた後、マドゥロ氏は「捕まえに来い。私はミラフローレス宮殿で待っている」と豪語して挑発した。だが、マドゥロ氏は明らかにトランプ氏の決断力を過小評価していたと見られる。

ベネズエラは中南米における中共最大の拠点であり、両国はともに社会主義体制である。2001年に戦略的パートナー関係を樹立し、2014年には「全天候型戦略パートナーシップ」へと格上げした。

中共はベネズエラ最大の債権国であり、貿易相手でもある。「石油と引き換えの融資」によりマドゥロ政権を支え、これまでに600億ドル(約9兆円)以上を貸し付けてきた。習近平とマドゥロ氏は何度も会談しており、直近の会談は2025年5月にモスクワで行われた。さらに同年12月には王毅外相とベネズエラのヒル外相が電話会談を行い、「鉄の友情」を強調していた。

しかし、2026年、年明け3日目に状況は一変した。政権構造自体に大きな変化はないものの、アメリカ政府は中国向けのベネズエラ産原油の流通を遮断し、同時にベネズエラ国内に滞在する中国、ロシア、イランのスパイおよび軍事要員の追放を要求した。この結果、中共が以前の関係を維持することは事実上不可能となった。

コロンビア大統領が方針転換 トランプ氏と電話会談

次に大きな変化が起きたのがコロンビアである。中国はコロンビアの第2の貿易相手国であり、コロンビアも中国にとってラテンアメリカ第5位の貿易相手国である。両国は2025年5月に「一帯一路」協力協定を締結し、文化交流や留学生派遣も活発であった。

しかし、トランプ氏がホワイトハウスに復帰して以降、コロンビアのペトロ大統領との関係は緊張し続けた。トランプ氏は「ペトロ政権が麻薬の大量流入を容認している」と非難し、2025年10月にペトロ政権への制裁を発動した。アメリカ軍がベネズエラの麻薬密輸船を連続空爆する中、ペトロ氏は「軍事攻撃で眠れるアメリカヒョウを目覚めさせるな」と警告し、マドゥロ氏拘束後には「祖国のために再び武器を取る」と発言した。

ところが、トランプ氏が「コロンビアへの軍事行動も選択肢の一つ」と発言したと報じられると、ペトロ氏は即座にトランプ氏に電話をかけ、対話の再開を申し出た。

この動きは中共とは直接関係しないものの、トランプ版モンロー主義――すなわち「ドンロー主義」――が掲げる「中露勢力のアメリカ大陸からの排除」という方針の延長線上にある。したがって、アメリカとコロンビアとの関係改善は中共の「一帯一路」構想に明確な打撃を与えることになる。

キューバ 最古の「同志国」 石油供給が途絶

次に影響を受けているのがキューバである。キューバはアメリカ大陸で最も早く中共と国交を樹立した社会主義国家であり、長年にわたり「同志国」として関係を保ってきた。

キューバは地理的にアメリカのすぐ近くに位置しながら、敵対関係にあり、資源が乏しく、国外依存が極めて強い。アメリカが制裁や封鎖を行えば経済発展は困難であり、加えて社会主義体制そのものの失敗により、常に外部からの「輸血」に頼ってきた。冷戦期はソ連が、ソ連崩壊後はベネズエラのチャベス政権が石油と資金を提供して支援してきた。

しかし、アメリカによる海上封鎖の開始後、1か月以上にわたりベネズエラからのタンカーは一隻も到着していない。ベネズエラはキューバ最大の石油供給国であり、マドゥロ氏拘束後、トランプ氏はベネズエラ産石油のほぼすべてをアメリカ向けに転換することに成功した。仮にキューバが別ルートで石油を確保できたとしても、経済支援の代替国を見つけるのは極めて困難である。

中共はキューバに巨額の投資を行っているが、キューバ経済は悪化が続き、度重なる債務不履行が障害となっている。両国関係は実質的に「社会主義と反米」という共通理念に支えられた政治的連帯に過ぎない。今後、トランプ氏やルビオ国務長官が示唆する「近い将来の重大な変化」が起これば、中共はさらに一つの『古い友人』を失う可能性が高い。

ホンジュラス新大統領勝利 台湾国交回復で中共成果白紙に

トランプ氏が影響力を及ぼしたのはここだけではない。昨年末、トランプ氏が支持を表明した保守派候補アスフラ氏がホンジュラス大統領選で勝利した。同氏は選挙期間中、「台湾と外交関係を持っていた頃の方が今より100倍良かった」と発言し、当選後は台湾との国交回復を約束している。

ホンジュラスは2023年3月に台湾と断交し中共と国交を樹立したが、それは当時、中共外交の「大きな成果」とされていた。それからわずか2年余りで、その成果は白紙に戻る可能性が出てきている。たとえ新大統領が即座に台湾との復交を実現しなかったとしても、「ドンロー主義」の影響下では、ホンジュラスと中共の距離が広がるのは避けがたい現実である。

イラン・ロシア「悪の枢軸」の不安定化

これらの国々は中共の核心勢力の外縁に位置する。ベネズエラを除けば周辺的存在であるが、「悪の枢軸」と呼ばれる中心メンバーであるロシアとイランも安泰ではない。

ロシアは依然としてウクライナ戦争の泥沼にはまり込み、イランでは1979年のイスラム革命以来最大規模の抗議運動が発生し、政変に最も近い状況となっている。

いずれにせよ、イラン国内の矛盾はさらに激化する見通しであり、ハマスやヒズボラなどの周辺勢力も弱体化している。中東における影響力の低下とともに、中共が握っていた外交カードも勢いを失いつつある。

グリーンランド確保へ 同盟の弱点を補強

さらにトランプ氏は、中露勢力への対抗を名目に、伝統的同盟の弱点補強にも動いている。その典型がグリーンランドである。

中国は北極圏の外に位置しながら自らを「近北極国家」と称し、「氷上のシルクロード」として北極航路開発や国際ガバナンス参加の名目で影響力を拡大してきた。グリーンランドは中共が北極圏で戦略的足場を築く上で極めて重要な位置を占めていた。

トランプ氏は中露の北極圏での存在感拡大を阻止するため、グリーンランドの獲得が不可欠だと主張している。理由として挙げるのは、(1)豊富なレアアースなどの鉱物資源、(2)欧州諸国の防衛意識と能力への不信、(3)中露による戦略的勢力拡大の脅威――の三点である。現在、トランプ氏はこの島を「何としても確保する」構えを見せている。

ヨーロッパ主要国もアメリカをなだめる形で、この島を中露の影響下に置かないよう防衛計画を立てている。グリーンランドの帰属をめぐって米欧間の論争があろうとも、「中共を排除する」という点ではすでに共通認識が形成されつつある。

中共三段階戦略 vs トランプ反撃 国際秩序再編の始まり

これら一連の動きの多くは、今年(2026年)のわずか半月の間に、しかもトランプ氏主導で起きたものである。トランプ氏の動機が何であれ、その結果は中共に対する痛烈な打撃となり、実質的に包囲網が形成されつつある。

アメリカ大陸でのこの動きは、トランプ氏が唱える「ドンロー主義」――すなわちモンロー主義の応用版――の具現化であり、本質は「中共をアメリカ大陸の政治・軍事・経済構造から排除する」ことにある。

中共の国際秩序への対応は おおむね三段階を経てきた。

第一段階は「適応」。毛沢東時代はソ連に全面依存し、アメリカと敵対したため、国際ルールとは無縁であった。1970年代、ニクソン大統領の訪中によって初めて接触が始まり、国際社会の仕組みを理解し始めた。

第二段階は「学習」。改革開放以降、中共は国際社会との融合を図り、たくさんの国費留学生や官僚を海外に派遣し、国外の法制度を参考に法整備を進めた。

第三段階は「利用」。国際規則を熟知した後、自国の利益のために制度を操り、国際機関を利用して「ルール遵守」の名の下に規制の実質を変質させ、時に破壊するようになった。破壊を本質とする体制が「国際秩序の守護者」を名乗るという、倒錯した構図が生まれたのである。

トランプ氏 66の国際機関から離脱――新たな秩序を構築

中共の手口は、特にWTO加盟以降、長らく効果を発揮してきた。だがそれが通用しなくなったのが、トランプ氏の登場以降である。

1期目では制約の中で試行的に動いていたが、2期目の今、トランプ氏は明確な戦略に基づき、中共が影響を及ぼす国際機関から一挙に66機関を離脱するなど、標的を定めた果断な行動に出ている。

中共はこのトランプ氏のスピードに対応できず、次々と打撃を受けている。これは新たな国際秩序の再構築の始まりであり、その核心は「アメリカと中共の全面対決」である。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
横河
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