先週、米国とイランが核協議を行った。イランの外相は交渉が順調に進んでいると述べたが、実質的な合意にはまだ達していない。トランプ米大統領は「平和評議会」を主宰した際、「イランとの合意は容易ではない」と語った。現在、米空軍は戦闘機50機を英国および欧州各地に派遣して待機させており、空母リンカーンとフォードも中東海域で「無敵艦隊」を構成している。専門家の分析では、米国が軍事行動に踏み切る可能性は9割に達するとの見方が出ている。トランプ氏は「10日以内に結論が出るだろう」と述べた。
昨年6月、イスラエルとイランの「12日戦争」が終結した後、今年2月に米国とイランは核兵器交渉を開始した。
ルビオ米国務長官は「交渉の議題設定において、実質的な成果を得るには特定の内容を盛り込む必要がある。たとえばイランの弾道ミサイルの射程、地域内テロ組織への資金援助、核開発計画、そして自国民への対応などだ」と述べた。
交渉は8時間に及び、トランプ氏は「非常に良い会談だった」と語った。しかし、イランのアッバス・アラグチ外務次官はイランはウラン濃縮作業を停止しないが、安心できる形の提案は用意すると述べ、弾道ミサイルやテロ組織への資金援助停止などの問題は米国とは協議しないとし、とりわけミサイルについては議論の対象外だと強調した。
イランにとって核兵器とミサイルは二大武力とされている。「エルサレム・ポスト」によると、イスラエルは米国に対し、イランのミサイルは国家存亡に関わる脅威だと警告している。元イスラエル情報当局高官のシマ・シャイン氏は、「イランは今、時間稼ぎの戦術を取る可能性がある。まず核問題で譲歩する姿勢を見せつつも、ミサイルについては死守するだろう」と述べた。
イランの姿勢は極めて強硬ともいえる。第1回の協議前には、米国商船への警告やタンカー拿捕の脅迫、さらにはシャヘド無人機による米空母リンカーンへの攻撃まで行った。
オマーンの仲介により、2月17日には第2回の米・イラン協議が4時間以上実施され、イラン側は「原則的な共通認識」に達したと表明した。しかし、アラグチ氏はイラン国内メディアに対し、「米国との対話の道は開かれたが、それが即座に合意成立を意味するわけではない」と述べた。
ヴァンス米副大統領は「明らかに、大統領はいくつかのレッドラインを設定している。イランはいまだそれらを正式に認め、解決しようとしていない」と指摘した。その上で、「我々は交渉を継続するが、大統領は外交的手段が尽きた場合には軍事行動を取る権限を保持している。そうならないことを望むが、最終決定は大統領に委ねられる」と話した。
協議がまとまらなければ武力行使なのであろうか。実際にはそうではない。イランはペルシャ湾の原油輸送の要衝、ホルムズ海峡を実質的に掌握しており、しばしば軍事演習を実施して海峡封鎖を示唆している。また、高速艇や無人機で米艦船を挑発し、他国のタンカーを拿捕するなどの行為を繰り返している。
イランのこうした過激な行動を受け、豪州は2019年、米国との同盟強化を発表し、戦闘機と艦艇をホルムズ海峡に派遣してイランの攻撃から商船を防衛した。豪州の原油輸入の約15%、精製油の約30%がペルシャ湾地域に依存しているためである。
米海軍第5艦隊は2023年4月の声明で、「過去2年間でイランは中東海域において少なくとも5隻の商船を違法に拿捕した」と指摘した。
米海軍は既に同地域に10隻の艦船を展開している。トランプ氏は先週、世界最大級で最新鋭の空母「フォード」を中東海域に派遣するよう命じた。同日、F22、F35、F16戦闘機および空中給油機もヨーロッパ地域に向けて出発した。
イスラエルのニュースサイト「Ynet」は、米国とイスラエルがイランへの大規模な攻撃計画を共同策定していると伝えている。
トランプ氏は「これは常に困難な交渉だ。彼ら(イラン)は確かに合意を望んでいると思う。彼らは交渉決裂の代償を望んでいないと思う」と語った。
19日、トランプ氏は「10日以内に合意に至らなければ」とする最後通牒を設定した。
衛星画像によると、イランは今週、軍事施設の防備強化にあたっており、コンクリート壁の増設や核兵器隠匿用の出入口の偽装、昨年損傷を受けたイスファハンの核施設および2か所のミサイル基地の修復作業に取り組んでいる様子が確認されている。
ポーランド、ドイツ、スウェーデン、スロバキアなど各国は今週、自国民にイランからの早期退避を呼びかけている。
トランプ氏は1期目政権時代、イラン革命防衛隊を外国テロ組織に指定し、その司令官を殺害した。今年1月、EUもこの方針に追随し、イラン国内の抗議活動を弾圧した15人の官僚に制裁を科した。ここ数か月、イラン国内では混乱が続いており、主要都市で政権に反対するデモが頻発、当局は弾圧を加えている。
海外のイラン人抗議者は、「状況は本当に深刻だ。4万人以上が命を落とした。世界中の人々がこれを知っている。私たちは今のイラン政府がテロリスト政権であることを世界に伝えたい。もうこの政権はいらない」と語った。
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