ロシアのプーチン大統領は、ウクライナが提案した長距離攻撃の停止案を拒否し、軍事作戦の継続を強調。無人機によるエネルギー施設攻撃や燃料供給への影響、米国関与の可能性にも言及し、戦闘長期化の見方が強まっている。
プーチン大統領は6月28日、ロシア軍がウクライナ戦線で既定の軍事目標に向けた作戦を継続しているとしたうえで、ウクライナ側が提案した長距離攻撃の一時停止には応じない考えを示した。
また、ウクライナ軍によるロシアのエネルギー施設への無人機攻撃により、一部地域で燃料供給が逼迫していることを認めた一方、状況は引き続き政府の管理下にあると強調した。
ロイター通信によると、プーチン大統領は同日、国営テレビのインタビューで、ウクライナが提案した双方による長距離攻撃の停止について言及した。これについてロシア側は、ウクライナ軍の前線での圧力を和らげる狙いがあるとして、和平を目的とした提案ではないとの見方を示し、受け入れないとしている。
さらに、ロシア軍によるウクライナ国内の標的への攻撃について、これまで以上に激しく、破壊力も増していると述べた。また、ウクライナ側が提案を行った背景には兵力不足があるとして、時間を稼ぐ意図があるとの認識を示した。
そのうえで、ロシアの軍事目標に「キエフ政権を救う」ことは含まれておらず、既定の作戦を継続する考えを改めて示した。
また、ロシアの主な目標について、ドンバス地域の完全掌握に加え、ロシアが「ノヴォロシア」と呼ぶドネツク州、ルハンシク州、ヘルソン州、ザポリージャ州の4州の掌握であると説明した。現時点ではこれらの地域すべてを完全には支配していないものの、交渉における重要な条件と位置付けているとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領の事務所は、プーチン大統領の発言に対して現時点でコメントを出していない。今月初め、ゼレンスキー大統領は公開書簡で首脳会談を提案したが、ロシア側はこれを受け入れていない。
プーチン大統領 燃料供給への影響に言及
プーチン大統領は同日これに先立ち、クレムリンでの政府会議で、ウクライナによる製油所やエネルギーインフラへの無人機攻撃が続いていることを受け、一部地域で燃料不足が発生していると述べた。
その一方で、問題は解決に向かっており、全体としての供給は安定しているとの認識を示した。
また、防空システムの生産を加速し、迎撃能力の強化を図るよう関係機関に指示したことを明らかにした。国内インフラへの攻撃については、前線の戦況や作戦計画に影響を与えるものではないとの見方を示した。
米国の関与やベラルーシにも言及
さらに、プーチン大統領は、アメリカが関与する外交仲介の再開に期待を示した。米イラン情勢が落ち着いた後、アメリカの特使スティーブ・ウィトコフ氏やジャレッド・クシュナー氏がモスクワを訪問し、協議が行われる可能性があると述べた。
また、昨年アラスカで当時のトランプ大統領と行った会談に触れ、紛争終結に向けた解決策について協議した経緯があると説明した。双方が譲歩する案も示されたが、現時点で合意には至っていないとしている。
さらに、ベラルーシのルカシェンコ大統領が将来的に和平交渉で一定の役割を果たす可能性にも言及した。一方で、ウクライナ側がロシアはベラルーシを紛争に巻き込もうとしていると非難している点については、コメントを控えた。
戦闘は長期化の様相
ロシアによる侵攻が始まった2022年2月以降、戦闘は4年以上にわたり続いている。ロシアは同年9月、東部と南部の4州の併合を宣言したが、国際社会の多くはこれを認めていない。
現在、ロシア軍が支配しているのはこれらの地域の一部にとどまっている。
ここ数か月、ウクライナは無人機を使ってロシアのエネルギー施設への攻撃を続けており、後方支援への影響を狙っているとみられる。一方、ロシア側もウクライナの内陸部に対してミサイルや無人機による攻撃を継続しており、戦闘は収束の見通しが立っていない。
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