厚生労働省が8月28日に公表した「人口動態統計速報(令和8年6月分)」によると、令和8年上半期の出生数は34万2068人で、前年同期比0.8%増となった。一方、死亡数は77万8982人に上り、出生数を43万6914人上回った。出生数が前年同期から増加する中でも、大幅な人口の自然減少が続いている。
令和8年1~6月の出生数は、前年同期の33万9280人から2788人増え、34万2068人となった。前年同期比は0.8%増である。
人口千人当たりの年換算の出生率は、6月単月で前年の5.8から5.9へ上昇した。
単月と上半期累計の双方で出生数が前年を上回ったものの、今回の結果だけで少子化傾向が反転したとは判断できない。人口動態統計の速報値には、日本国内で生まれた日本人以外の数も含まれているためである。
速報値は外国人や過去の届け出も集計
人口動態統計の速報値は、その月に発生した事象ではなく、自治体などが作成した調査票の枚数を基に集計する。
対象には、日本国内における日本人の出生や死亡に加え、国内における外国人、外国で発生して領事館などを通じて届け出られた日本人の事象が含まれる。前年以前に発生し、届け出の遅れによって当月に集計された事例も対象となる。
このため、6月の出生数が前年同月比で2.7%増えた要因が、日本人の出生増によるものか、外国人の出生や届け出時期の変化によるものかは、速報値からは判別できない。
都道府県別では、東京都の出生数が7811人と全国で最も多かった。ただし、この数値についても日本人と外国人の内訳は示されていない。日本人の出生数が増加したかどうかを確認するには、国籍などの属性を限定した統計が必要となる。
日本人の動向は月報で明確に
人口動態統計は、速報値、月報の概数、年報の確定数の順に精査される。
速報値が調査票の作成枚数を広く集計するのに対し、月報の概数は「日本における日本人」に対象を絞ってまとめる。年報の確定数では、概数に追加の確認や修正を加える。
今回の出生数増加が日本人に限っても確認されるかどうかは、今後公表される月報の概数を待つ必要がある。速報段階で少子化対策の効果や出生動向の転換と結び付けることは難しい。
上半期の自然減、43万人超
出生数が前年を上回る一方、死亡数は出生数を大幅に上回っている。
令和8年上半期の死亡数は77万8982人で、出生数34万2068人の約2.3倍となった。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数はマイナス43万6914人で、自然増減率はマイナス7.2だった。
6月単月の人口千人当たりの年換算死亡率は11.3で、前年の11.4をわずかに下回ったものの、出生率の5.9を大きく上回っている。
令和7年7月から令和8年6月までの1年間では、出生数が70万8597人だったのに対し、自然増減数はマイナス83万9221人となった。年間の人口の自然減少幅が、同じ期間に生まれた子供の総数を上回る状況である。
今回の速報では出生数に一定の増加が確認されたが、上半期だけで43万人を超える自然減少が続いている。日本の人口動態を判断するには、今後の月報で日本人の出生数を確認するとともに、出生と死亡の差が長期的にどう推移するかを見極める必要がある。
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