アメリカ vs. 共産主義

2026/09/04
更新: 2026/09/04

寄稿

民主社会主義者(DSA)の台頭を背にズハラン・マムダニ氏がニューヨーク市長に当選したことから、ミシガン州のアブドゥル・エルサイード氏、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員をはじめとする「ザ・スクワッド(左派女性議員グループ)」による民主党の掌握、ミネアポリスやセントポールでの移民・関税執行局(ICE)に対する抗議デモ、さらには全米の大都市の街頭で展開されるアンティファ(Antifa)の暴力に至るまで、過激で反米的な共産主義左派がアメリカ国内で勢力を拡大している。

こうした事態に、国民は何が起きているのか、そして「なぜ」なのかと疑問を抱かざるを得ない。アメリカ国民は、現在アメリカが革命の渦中にあることを認識する必要がある。

国民が体感している思想的動揺は明白であり、アメリカの政治状況はかつてのものとは一変した。民主党対共和党という伝統的な政治構造は、共産主義左派とMAGA(アメリカを再び偉大に)右派による巨大な闘争へと取って代わられた。

米国では深刻かつ悪化の一途をたどる思想的分断が生じており、国全体が激動の時期にある。一方では、1776年のアメリカ革命の理念、思想、制度、価値観を守ろうと国民が尽力している。しかし、「1776年の精神」は攻撃に晒されている。

他方には「1917年の精神」が存在する。ボリシェヴィキ革命の年である1917年の精神は、アメリカ政治のなかで健在である。歴史的に共産主義者は、自ら「革命的敗北主義」と呼ぶ「状況が悪ければ悪いほど良い」という方針を推進してきた。彼らはアメリカの状況を改善するのではなく、改悪するために活動している。

米国が混乱すればするほど、つまり分断が進み、暴力が増え、紛争が激化し、経済が低迷し、不法移民が増加し、アメリカ人に取って代わるH-1Bビザ保持者が増え、自滅的な性別移行を行う人々が増えるほど、彼らにとっては好都合となる。

国民が意気消沈し、都市が醜く機能不全に陥り、アメリカ人としてのアイデンティティが減退し破壊されるほど、米国は弱体化する。西洋文明が分裂し破滅に近づくほど、共産主義者にとって有益となるのである。

アメリカ人としてのアイデンティティは戦場と化した。アイデンティティとは国家の「完成態(エンテレキー)」であり、極めて重要である。アメリカのアイデンティティとは、国民、土地、思想、文化、歴史といった「アメリカそのもの」であり、それに対する脅威は国家が直面する最も重要な安全保障上の問題だ。

実のところ、国家安全保障はアメリカのアイデンティティにかかっている。アメリカのアイデンティティをめぐる争いは、建国の父たち対ボリシェヴィキ、ジェームズ・マディソン対ウラジーミル・レーニンの戦いである。

アメリカの魂をめぐるこの思想的葛藤において、どちらの陣営が勝利するのだろうか。

国民にとっても西洋文明にとっても、これ以上に重大な問題はない。米国人は100年にわたり共産主義と闘ってきたが、今日、その長い戦争に敗北する危機に直面している。

国民はその脅威の大きさを認識しなければならない。共産主義は、冷戦期における米国の敵国であったソ連(1946〜1991年)、そして現在の中華人民共和国に共通する思想であった。

ドナルド・トランプ米大統領が述べたように、共産主義はアメリカがこれまでに直面した内外の敵の中で最も有害であり、最も手強い敵である。それは中国共産党(中共)の思想であり、現代のアメリカ民主党の思想でもある。

共産主義者は最悪の発想を持っているが、それを推進し、我々に強要することに関しては極めて長けている。

米国は共産主義の進展への対応が遅れてきたが、それとの闘いは国民にとって決して新しいものではない。

年々、共産主義は勢力を伸ばしており、マムダニ氏の勝利が示すように、アメリカの若者の間で復権を果たしつつある。共産主義思想は依然として魅力であり、政治的左派に対して強力な訴求力を持ち続けている。

共産主義がこれほど強力であるのは、国家権力を掌握・維持し、権力を維持するために最も過酷な手段を行使し、自らの暴政を「進歩的」と主張して正当化できる小規模なエリート層に対し、独裁的権力を与えるという約束を極めて見事に果たしてきたからである。実際には、それは恐ろしいほど時代に逆行するものである。

共産主義は全体主義的統制のための効率的なモデルであり、現在と同様、過去においても権力掌握に成功してきた。

しかし、その魅力は支配層となるエリートだけに留まらない。庶民レベルにおいても、解放感、反乱の興奮、確立された秩序の転覆、いわゆる抑圧者に対する復讐、そしてユートピア的な目標である「より良く明るい未来」を実現できる可能性を約束するため、人を惹きつけるのである。

アメリカ国民は迅速に共産主義について賢明にならなければならない。共産主義を極めて攻撃的な思想として認識しなかったことは大きな過ちであり、そのために共産主義者が国内でアメリカのアイデンティティを弱体化させ、中国の勢力拡大を許して米国に対抗する水準にまで達させてしまった。

重要なのは、これがソ連との冷戦期にアメリカ人が犯した過ちではなかった点である。当時、国民は国内外における共産主義の危険性を認識していた。それは20世紀の大半において国家安全保障政策の主要な要素であり、今世紀においても同様である。

国民には共産主義を打ち破る力がある。アメリカのアイデンティティが強固になればなるほど、共産主義は弱体化する。西洋文明が強力になればなるほど、共産主義の嘘と欺瞞は暴かれる。共産主義を打ち負かし、西洋文明を救うためには、アメリカのアイデンティティの復興が必要である。

中国共産党およびアメリカ国内の共産主義運動は、根本的に破綻しており正当性がない。中国の共産主義は西洋の政治思想の産物である。中共はソ連の帝国主義によって設置された植民地政府に過ぎない。

国民はこの破綻と不当性を利用しつつ、アメリカのアイデンティティを推進し、共産主義の最終的な敗北と、アメリカのアイデンティティおよび西洋文明の復興をもたらさなければならない。

アメリカ国民は共産主義を打ち負かすだろう。堂々と胸を張ってアメリカのアイデンティティと西洋文明を主張することこそが、共産主義との戦争に勝利する鍵である。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
ブラッドリー・A・セイヤーは、「対中危機委員会」の創設メンバーであり、リャンチャオ・ハンとの共著「Understanding the China Threat/中国の脅威を理解する」および、ジェームズ・ファネルとの共著「Embracing Communist China: America’s Greatest Strategic Failure./共産中国を受け入れる:アメリカの最大の戦略的失敗」の著者です。