イランは、中東各地の米軍拠点や権益を標的とする新たな攻撃で報復すると警告した。
米軍は9月8日、イランのタンカー5隻を標的とする新たな攻撃を実施したと発表した。数か月にわたって続く武力対立における最新の軍事行動となる。
米中央軍(CENTCOM)は声明で、米軍艦艇を標的とした新たなミサイル攻撃未遂への報復として、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)と関係のあるタンカーを破壊したと発表した。中央軍によると、米軍艦艇はイラン側の攻撃を回避し、乗艦していた米軍関係者に被害はなかった。
中央軍は、イランのタンカー4隻、「カヴィズ」「チャルミナール」「ホライズン1」「リエスコ」がオマーン湾付近を航行していた際に攻撃したと発表した。5隻目の「デリヤ」は、ハグ島付近を航行中に攻撃を受けた。
イラン軍のエブラヒム・ゾルファガリ報道官は9月8日、これに先立ち、イランのタンカー3隻が差し迫った米軍の攻撃について警告を受けたと主張した。ゾルファガリ氏は、このような攻撃が行われれば、イラン軍は中東全域の米軍基地や権益に対する新たな攻撃で応じると述べた。
革命防衛隊は国営メディアを通じて発表した別の声明で、イランの報復は、米軍を受け入れている近隣諸国の港湾施設も標的にすると表明。これらの港を利用する船舶について「攻撃の標的になる」とし、乗組員に船を放棄するよう警告した。
こうした警告に続き、イラン国営メディアは、ヨルダンの複数の軍事基地に向けたミサイル発射の様子とする映像を公開した。
ヨルダン軍は、同国領内に向けて発射された弾道ミサイル18発を防空システムが迎撃し、ほかの2発は無人地域に落下したと発表。死傷者の報告はないとしている。ヨルダンは米国の強固な同盟国で、米軍を受け入れていることから、同国の軍事基地はイランによる度重なる攻撃の標的となっている。
革命防衛隊はまた、9月8日に米軍艦艇2隻を標的とした攻撃を行ったとも主張した。このイラン側の主張についてコメントを求められた中央軍のティモシー・ホーキンス大尉は、「米海軍艦艇に対する革命防衛隊の試みは、すべて失敗した。これは言葉による主張ではなく、事実である」と述べた。
9月8日の攻撃は、米軍艦艇を標的としたイランの攻撃への報復として、米軍がイランのタンカーに発砲した2回目の事例となった。
米軍は9月5日、イランが米海軍艦艇2隻を標的としたことへの報復として、イラン船舶3隻を航行不能にする攻撃を実施した。イラン当局はその後、ペルシャ湾に海上立ち入り禁止区域を設定し、イラン当局と事前に調整せず同海域を通航しようとする船舶に制裁を科すと警告している。
マルコ・ルビオ米国務長官は9月8日、コロンビア訪問中に記者団に対し、米国は米軍艦艇に対する攻撃未遂への報復として、イランの石油タンカーへの攻撃を続けると述べた。
9月9日の取引序盤、原油価格は4営業日連続で上昇した。湾岸地域の米軍施設に対するイラン側の2回目の攻撃を受け、1ドル以上値上がりした。
国際指標となる北海ブレント原油先物は、グリニッジ標準時午前0時1分までに1ドル57セント、率にして1.6%上昇し、1バレル=99ドル49セントとなった。米国産標準油種(WTI)先物は1ドル60セント、率にして1.72%上昇し、1バレル=94ドル63セントとなった。
サウジアラビア・イエメン戦線
一方、イランの支援を受けるイエメンの反政府武装組織フーシ派は9月8日、サウジアラビア南部の4都市を攻撃した。
サウジアラビア当局によると、攻撃で女性や子どもを含む73人が負傷した。これほど多くの負傷者が報告されたことは、2月に紛争が激化して以降、サウジアラビアに対して行われた最大規模の攻撃の一つだった可能性を示している。
ここ数日、サウジアラビアの支援を受ける、南部を拠点とするイエメン政府軍は、フーシ派が政府支配地域への進攻を試みたことを受け、フーシ派支配地域に対する多方面からの攻勢を開始した。12年前にフーシ派によって首都から追放された同政府は現在、フーシ派が支配するすべての地域の奪還を目指している。
フーシ派は9月8日、無人機とミサイルを使用し、サウジアラビア南部ハミース・ムシャイトにある同国の空軍基地のほか、アブハ、ナジュラーン、ジーザーン各都市にある国営石油会社の施設を攻撃したと発表した。
米航空宇宙局(NASA)の衛星画像には、ジーザーンの製油所上空を覆う濃い黒煙と、アブハの石油配送センターから立ち上る白煙が写っていた。
ロイター通信がこの記事に協力した。
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