中国で、ソーセージの中から使い捨てマスクの一部とみられる異物が出てくる動画が拡散した。
驚くような光景だが、中国では食品から異物が見つかる騒ぎは、もはや珍しいものではない。
近年、ソーセージから「歯」、別のソーセージからは「目」のように見える異物、飲食店の骨スープからは整形外科手術で使われる金属製の部品が出てきたとの訴えまであった。
食品問題は異物だけではない。
有害な化学物質メラミンを混ぜた粉ミルク、廃油を再利用した食用油、化学薬品を運んだタンクローリーで運ばれた食用油、ホルマリン漬け白菜(ホルムアルデヒド)、抗生物質などが残留した肉や卵。問題は肉、野菜、油、乳製品など、毎日の食卓にまで及んでいる。
食品を作る側のモラル問題はさておき、これだけ問題が繰り返されるとなれば、当然「なぜ取り締まれないのか」という疑問が出てくる。
その答えの一つとして、たびたび指摘されるのが「特別供給(特供)」の存在だ。中国では以前から、共産党幹部など一部の特権層に、一般市民とは別のルートで食品を供給する「特供」が存在すると指摘されてきた。
中国の食品安全問題が語られるたび、繰り返し挙げられる解決策がある。「特供をなくし、権力者も庶民と同じものを食べること」だ。
権力者も一般市民と同じ肉を食べ、同じ油を使い、同じ野菜を家族に食べさせるようになれば、食品安全は他人事ではなくなる。自分たちの食卓を守るためにも、監督を厳しくせざるを得なくなるという理屈だ。
食品を監督する側と、それを食べる側の食卓が違う。この構図が変わらない限り、特供という特権が守られる現在の体制が続く限り、中国の食卓から「次は何が出てくるのか」という不安が消える日は、まだ遠そうだ。
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