米中間選挙後にイラン再攻撃か 中間選挙後の軍事行動に注目

2026/10/30
更新: 2026/10/30

論評

2026年11月3日の米中間選挙まで、残り数日となった。最近、米国とイスラエルの連合軍が、イランに対する第2段階の全面的な空爆に向けて、すべての戦術的準備を完了したとの情報が相次いでいる。トランプ米大統領がイランへの大規模な軍事行動を再開するかどうか。その答えは、米国の有権者が最後の一票を投じる瞬間を待っているかのようだ。

米イスラエル、イラン再攻撃を準備 中間選挙後が焦点

最近の報道によると、米国とイスラエル軍当局は、米中間選挙後にイランへの共同攻撃を再開する計画を策定した。

一方、米国務省は、イランや同国が支援する武装組織による報復攻撃の可能性を理由に、サウジアラビアに駐在する一部の外交官とその家族を退避させるとともに、中東の他の外交施設でも人員配置を見直している。

10月27日の報道によると、米国は外交・軍事ルートを通じて、ペルシャ湾岸の一部のアラブ同盟国に対し、米中間選挙後に「短期間ながら激しい軍事行動」が実施される可能性に備えるよう伝えた。

報道では、米国とイスラエルの両軍が弾薬の補充や部隊の再配置を進めるとともに、航空戦力の出撃準備も整えていると指摘している。

トランプ氏は9月17日のメディア取材で、イラン政権を「完全に壊滅させる」ことも検討していると公言した。

さらに9月22日の国連総会での演説では、イランとの合意に至らなければ、米国はイラン・イスラム共和国を速やかに壊滅させる可能性があると強調した。

10月23日にもフロリダ州で、米国が壮絶な怒り作戦を再び実施する可能性を排除しないと述べた。

こうした発言から、トランプ氏が依然として、イラン政府に譲歩を迫る手段として軍事攻撃を選択肢に残していることが分かる。

米政府当局者の話として伝えられた報道によると、現在、中東に展開している米軍は、トランプ氏の命令から96時間以内に大規模な軍事行動を開始できる態勢にある。

米中央軍と国防総省は、イランのエネルギー関連インフラ、軍事施設、核施設など、複数の攻撃目標を盛り込んだ作戦計画も策定している。

報道によると、現在、米軍の3つの空母打撃群が周辺海域で活動しており、さらに空母「ルーズベルト」を中心とする打撃群も中東に向かっている。これにより、米軍が投入できる戦闘機や艦載ミサイルが増え、海上での作戦能力もさらに強化される。

米軍の作戦立案担当者は、72時間にわたって集中的な攻撃を実施すれば、イラン経済に深刻な打撃を与え、交渉で譲歩を引き出せる可能性があるとみている。

イスラエル側も強硬な姿勢を示している。

10月19日、ネタニヤフ首相はトランプ氏との電話会談で、米国とイスラエルにはイランに関して「まだやり残した仕事がある」と述べ、全面的な攻撃の再開を強く主張した。

10月26日には、イスラエルの選挙を翌日に控え、自身が引き続き政権を担う場合、米国とイスラエルがイランへの軍事行動を再開する可能性を示唆した。

これに先立つ6月25日、ルビオ米国務長官はバーレーンで湾岸協力会議加盟国の外相らと会談し、米国とイランの暫定合意に向けて地域の同盟国から支持を取り付けようとした。

ルビオ氏は、米国が長年の同盟国の安全を犠牲にしてまでイランとの和平合意を結ぶことはないと強調した。また、今後の政策判断には、地域の同盟国が抱える安全保障上および経済上の懸念を反映させる考えを示した。

イラン、戦闘を続けながら交渉も進める

イランのペゼシュキアン大統領は、米国が交渉で示した約束をもはや信用できないと公言し、暫定合意に向けた交渉を米政府が妨害していると非難した。その一方で、イラン政府は周辺諸国との立場の調整も積極的に進めている。

10月25日にはカタールの仲介代表団がテヘランを訪問し、米国と連携しながら地域の緊張緩和に向けた調整を進めた。

翌26日には、イランがサウジアラビア、トルコ、パキスタンの高官を招き、テヘランで4か国による安全保障協議を開催した。

ロイター通信によると、今回の協議は中東の紛争緩和を目的としたもので、米国とイランの交渉再開、地域諸国間の相互不可侵の枠組みづくり、ホルムズ海峡の安全確保などが議題となった。

会談後、イラン最高国家安全保障会議のレザイ事務局長は、西アジアの安全保障は地域諸国が主体となって築くべきであり、いかなる外部からの干渉も阻止する必要があると強調した。

米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を再開する可能性が高まる中、今回の会談は、地域諸国が事態のさらなる悪化を防ごうとする外交パフォーマンスの場ともなった。問題の鍵を握るのは、イランが現在の強硬姿勢を改めるかどうかだ。

実際、イランを中心とする「抵抗の枢軸」は、すでにミサイルで意思を示し始めている。

10月26~27日、フーシ派はサウジアラビアへの攻撃を拡大した。サウジ東部州に弾道ミサイル3発を発射したほか、東部の製油所と南西部のアブハ国際空港を攻撃したと主張した。

10月27日、サウジアラビア主導の連合軍は、同国東部に向けて発射された弾道ミサイル3発と、南部に向かっていたドローン4機を迎撃したと発表した。

この連合軍の正式名称は「イエメンの正統性回復のための連合軍」で、サウジアラビアを中心とする多国籍軍である。2015年に結成され、国際社会が承認するイエメン政府を支援し、フーシ派と戦うことを目的としている。

米軍、新たな大規模攻撃に備え戦力増強

過去数か月、米軍はホルムズ海峡南部の航路を開いたものの、同海峡を通過する船舶は、通常の1日十数隻から数隻にまで減少している。

仮に10月中に戦闘が再開すれば、原油価格の急騰が共和党の中間選挙での戦いに直接打撃を与えることになる。

ホワイトハウスは、11月3日の投票終了後、トランプ政権を縛ってきたこの「政治的な足かせ」から解放されることを望んでいる。

選挙結果がどうであれ、トランプ氏には選挙後も2年近く、政治的な制約を受けずに政策を進められる期間が残されている。

壮絶な怒り作戦では、米国とイスラエルの連合軍がイランの防空システムをほぼ壊滅させた。イランは現在に至るまで、その再建に成功していない。

米軍のB-2爆撃機やF-22、F-35戦闘機、イスラエル空軍のF-35I、F-15Iは、開戦当初からイラン領空でほぼ抵抗を受けずに作戦を展開できた。現在では、さらに自由にイラン領空で行動できる状況にある。

こうした航空攻撃能力により、米軍は高価な長距離巡航ミサイルや、敵の防空圏外から攻撃できる精密誘導兵器への依存を大幅に減らすことができる。これらの兵器は、すでに在庫が底をつきかけている。

米国とイスラエルの戦闘機は、目標の上空まで直接進入し、比較的安価な統合直接攻撃弾を投下できる。さらに、地下施設を破壊するための大型地中貫通爆弾や、大型の空中爆発型爆弾も使用できる。

地下核施設ピッケル山が攻撃目標に浮上

今後、再び軍事攻撃が実施された場合、最も注目される攻撃目標は、イラン中部イスファハン州にあるナタンズ核施設の南約1.5キロに位置するピッケル山だ。

この山の地下約100メートルには、イランで最も堅固とされる地下トンネル網や遠心分離機施設が設けられている。

この地下施設は「シャヒード・アリ・モハンマディ施設」と呼ばれ、2020年7月にナタンズの地上にある遠心分離機組立工場が破壊された後、建設が始まった。

フォルドゥの地下ウラン濃縮施設よりも深く、堅固な構造を持ち、山の両側には4か所のトンネル入口が設けられている。トンネルの入口はコンクリートと土砂で何重にも補強され、周辺には二重の保安フェンスと巡回道路も整備されている。

2020年9月8日、イラン原子力庁のサレヒ長官は国営テレビで、ナタンズ核施設近くの山の奥深くに、従来よりも規模が大きく、技術的にも高度な地下工場を建設していると発表した。

その後、衛星画像の分析によって、建設現場がザグロス山脈のピッケル山にあり、トンネルの掘削工事が継続していることが明らかになった。

トランプ氏とラトクリフ米CIA長官は、イランの核開発計画が「壊滅的な打撃」を受け、開発が数年遅れたと繰り返し主張してきた。

しかし、米国とイスラエルの情報機関はいずれも、イランに態勢を立て直す時間を与えれば、地下核施設での活動がいつ再開されてもおかしくないとの見方を支持している。

米国とイスラエルは、ピッケル山の地下施設を完全に破壊することを、軍事作戦の最優先事項としてきた。

仮に米国とイスラエルが軍事行動の目的を「イランの体制転換」にまで拡大した場合、8か月にわたる激しい空爆と海上の全面封鎖を経て、経済がすでに崩壊寸前に追い込まれているイラン政権は、国内の主要インフラをまひさせる攻撃に耐えられないほど弱体化している可能性がある。

この段階で、イランの電力網、通信拠点、主要交通路、エネルギー施設に壊滅的な攻撃を加えれば、イラン経済をまひさせるだけでなく、イラン革命防衛隊が国内の抵抗運動を弾圧する能力も弱めることになる。

その結果、軍上層部の抵抗意欲が失われ、政権転換に発展する可能性もある。

イランに残る2つの切り札 主導権は米イスラエルが握る

現在、イランにはなお2つの切り札が残されている。

一つは、ホルムズ海峡を封鎖して石油の輸送コストを大幅に引き上げ、国際世論や米国内の政治情勢をイランに有利な方向へ動かすことだ。

もう一つは、ドローンや弾道ミサイルを使い、米軍基地や中東地域の米国の同盟国を攻撃することである。

ただし、この2つの手段は、イラン政権が中・長距離攻撃能力を維持していることを前提としている。

国際制裁と経済衰退の圧力の下で、イランの軍需生産能力はいつまで持ちこたえられるのか。弾道ミサイルの在庫はどの程度残っているのか。さらに、米国とイスラエルによる次の段階の激しい攻撃を受けた場合、その在庫はどれほど残るのか。

いずれも極めてデリケートな問題だ。

しかし、これらの問題をどう解決するか、その主導権を握っているのはイラン政権ではなく、米国とイスラエルの連合軍だ。

11月3日の米中間選挙は、中東の戦況を左右する重要な節目となりつつある。

ホワイトハウスが「選挙後の短期間かつ猛烈な攻撃」を問題解決の手段として選べば、さらに激しい攻撃が繰り広げられることになるだろう。

その攻撃が実際に行われるかどうかは、イラン政権が今後の交渉でどのような姿勢を示すかにかかっている。

ただし、イラン政府が現在示している公式の立場を見る限り、この「72時間の嵐」が現実になる可能性は高い。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
夏洛山
大紀元時報(中国語)記者。長い従軍経験があり、軍事番組「Military Focus」を主宰する。