高市首相「邦人保護を全力で」 スペイン列車衝突事故 名簿に日本人2人

2026/10/29
更新: 2026/10/29

スペイン中部トレド県ウルダで10月28日、高速列車同士が衝突する事故が発生し、68人が死亡、180人以上が負傷した。外務省は29日、乗客名簿に日本人とみられる2人の名前があったとスペイン政府から連絡を受けたことを明らかにした。

2人が実際に乗車していたかを含め、現地の日本大使館が安否確認を急いでいる。

高市早苗首相は29日、自身のXで「スペイン政府から、乗客リストに日本人とみられる2人の名前が含まれているとの連絡があった。現在、この2人の安否を確認中であり、日本政府として邦人保護に全力で取り組んでいく」と表明した。

木原稔官房長官は同日29日の記者会見で、28日にスペイン当局から「乗客リストに日本人2人の名前が含まれている」との通報を受けたと明らかにした。外務省はこれを受け、在スペイン日本大使館内に現地対策本部を、東京の本省には対策室をそれぞれ設け、情報収集と2人の安否確認を急いでいる。

木原長官は記者団に対し「引き続き関係当局等から情報収集を行うとともに、邦人保護、これに全力で取り組んで参ります」と強調した。

茂木敏充外相もでお見舞いメッセージを発出。事故の犠牲者に哀悼の意を表し、負傷者の早期回復を祈るとしたうえで、「スペイン当局の協力も得つつ、日本政府として邦人保護に全力で取り組む」と述べた。

「人為的ミス」 運輸相が見解

事故は28日、スペイン中部トレド県ウルダで起きた。停車中だった民間高速鉄道会社「イリョ」の列車に、国営鉄道の列車が後ろから追突した。2本の列車には合わせて540人以上が乗車していたとみられる。

スペインの運輸相は記者会見で事故の経緯を説明した。説明によると、事故が起きる前に両列車の運行を制御するシステムに故障が発生し、2本とも線路上でいったん停止していた。

その後、運行管理に当たっていた担当者が、後続の国営鉄道の列車に対して誤って発車を指示したため、停車中のイリョの列車に追突する事態になったという。運輸相はこうした経緯を踏まえ、事故の背景には人為的ミスがあったとの見方を示した。

スペインでは今年1月18日にも、同じ高速鉄道路線の南部コルドバ県アダムス付近で列車同士が衝突する事故が発生し、46人が死亡している。9か月余りのうちに同一路線で大規模な衝突事故が2度起きたことになり、鉄道インフラの保守管理や運行システムの安全性をめぐり、スペイン政府への批判が強まる可能性がある。

エポックタイムズ記者。日本の外交・防衛をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。