ロシア軍のジェット無人機に天敵 ウクライナ軍のAI機銃塔「スカイ・センチネル」が威力を発揮

2026/10/31
更新: 2026/10/31

ウクライナの戦場で、映画に登場するような「AI自動機銃塔」が現実になった。

ロシアが毎月数千機を発射する、時速600キロメートルを超えるジェット無人機に対し、ウクライナは最近、人工知能(AI)が制御する自動機銃塔という強力な防空装備を披露した。鳥と敵機を瞬時に見分けるだけでなく、ロシア軍で最も速い高速無人機の撃墜にも成功したという。

その1つが「スカイセンチネル」と呼ばれるAI機銃塔だ。威力の中核を担うのは、AIのアルゴリズムである。

通常の対空砲は人が照準を合わせるため、高速で移動する目標には弾を外しやすい。一方、ブローニングM2重機関銃を搭載したこの機銃塔は360度旋回し、AIが目標を自動的に検知、捕捉して弾道を計算する。高速目標への射撃では、人よりはるかに速く、正確に対応できる。

しかも費用は極めて低く、1基当たりの製造費は約15万ドル(約2300万円)とされ。高価な対空ミサイル(1発数千万円〜数億円)を使用する従来の防空システムに比べ、100分の中の1以下の費用で運用可能だ。

安全上の配慮から、現在システムが担うのは照準と目標の捕捉までで、最終的な発砲は引き続き人間の操作員が引き金を引いて行う。

これは実験室内の概念的な製品ではなく、既に実戦で戦果を挙げている装備だ。ウクライナ当局によると、キーウ地域だけで、この自動機銃塔は直近1か月に敵の無人機数十機を撃墜した。さらに、時速400マイルに達するロシア軍のジェット無人機「ゲラン5」や巡航ミサイルも撃墜したという。

高い効果を受け、ゼレンスキー大統領は自ら追加発注を指示した。資金面から生産まで全面的な加速を求め、今後、キーウ周辺にさらに多く配備する方針だ。

また、ウクライナは「民間防空事業」も進めている。民間企業はこうしたAI機銃塔を自ら購入し、従業員を訓練して工場や倉庫の防衛に当たらせることができる。

敵の空襲の予測から無人戦闘車両による補給、AI機銃塔による防空まで、ウクライナは現代の消耗戦にAIを深く組み込もうとしている。

もちろん、この機銃塔にも弱点がある。射程が比較的短く、主に防空網の「最後の防衛線」として使われる点だ。それでも、ロシア軍が大量に投入する安価な低空飛行ミサイルや無人機に対し、こうした低コストで高精度のAI防衛戦術は、世界の軍事・防衛に新たな示唆を与えている。

『ニュース直撃』制作チーム