今日からできる食品備蓄とローリングストックの始め方

2026/11/01
更新: 2026/11/01

災害はいつ起こるか分からない。大きな地震や台風などの災害が発生すると、電気・ガス・水道などのライフラインが止まり、道路の寸断などで物流が停止してスーパーやコンビニから食品が消えてしまうおそれがある。

万が一の事態に備え、家庭での食品備蓄が不可欠だ。政府広報の情報をもとに、食品備蓄の必要性や必要な量、無理なく続けられる「ローリングストック」のやり方をまとめた。

 災害時に備えた家庭での食品備蓄とローリングストックのイメージ画像(Shutterstock)

1. なぜ「家庭備蓄」が必要なのか?

過去の災害事例では、ライフラインの復旧までに1週間以上かかるケースが数多く見られる。また、発災直後は支援物資がすぐに届かないことも想定される。

そのため、家庭での食品備蓄は最低3日分、できれば1週間分を用意することが推奨されている。日常生活とかけ離れた避難生活の中でも、温かく栄養バランスのとれた食事をとることは、心身の健康と元気を保つために大きな力となる。

 

2. 何をどれだけ備えればいい?(必需品と食品)

食品を備蓄する際は、主食だけでなく栄養バランスを意識することが大切だ。大人2人が1週間過ごす場合の備蓄目安は以下の通りだ。

必需品(水・熱源)

発災直後に水やガスが止まった際に最も重要となるのが、飲料水と熱源だ。

  • 水:飲料水および調理用水として1人1日あたり約3Lが目安(大人2人・1週間で2Lペットボトル24本程度)。なお、水道水は塩素消毒効果があるため、清潔な容器に口いっぱい入れてしっかりフタをし、涼しい場所に置けば3日程度飲料水として保存可能。
  • カセットコンロ・ボンベ:温かい食事や飲み物を作るために必須。カセットボンベは1人1週間あたり約6本(大人2人で約12本)が目安となる。

栄養バランスを考慮した食品構成

災害直後は炭水化物に偏りがちになり、ビタミンやタンパク質が不足して体調を崩しやすくなる。各栄養素を意識して組み合わせることが必要だ。

「大人2人・1週間分の非常用食品備蓄」の分類と目安

(情報提供:政府広報オンライン)

 

主食(エネルギー源)

ごはん、パン、麺類など

米4kg(2kg×2袋)、パックご飯6個、カップ麺6個、乾麺(パスタ・そうめんなど)

 

主菜(タンパク質補給)

肉・魚の缶詰(ツナ、サバ、焼き鳥など)、レトルト食品

肉・魚等の缶詰18缶、レトルト食品(カレー・牛丼の素等)18個、パスタソース6個

 

副菜・果物(ビタミン・食物繊維)

日持ちする野菜(じゃがいも、玉ねぎ、かぼちゃ)、野菜ジュース、ドライフルーツ、果物缶

野菜缶詰、野菜ジュース、ドライフルーツ、梅干し、りんご・みかん等

 

その他

嗜好品、調味料、即席スープ

お菓子(チョコ、ビスケット、羊羹等)、基本調味料(塩、醤油、味噌等)、インスタント味噌汁

 

3. 簡単!「ローリングストック」の3ステップ

「備蓄」と聞くと難しく感じられるかもしれないが、ふだんの買い物の延長でできるローリングストックがおすすめだ。

ローリングストックとは、日常的に食べている食品を少し多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費し、食べた分を買い足していく循環型の備蓄方法だ。

  1. 蓄える:カップ麺、缶詰、レトルト食品、インスタントスープなど、日常生活で食べるものを少し多めに購入する。
  2. 食べる:賞味期限をチェックしながら、日常の食事で古いものから定期的に消費する。
  3. 補充する:食べた分だけ新しいものを買い足し、常に一定量のストックを維持する。

このサイクルを習慣化することで、特別な非常食を大量に買い込んだり賞味期限切れで無駄にしたりせず、常に新しい状態の備蓄を家庭にキープできる。

 

4. 要配慮者(乳幼児・高齢者・持病・アレルギー)への備え

乳幼児、高齢者、アレルギーや持病のある方がいるご家庭では、災害時に配慮が必要な食品が手に入りにくくなるリスクが高まる。東日本大震災では、アレルギー対応食品が1か月以上入手できなかった事例もある。そのため、要配慮者向けの食品は最低2週間分を備蓄することが重要だ。

  • 乳幼児:粉ミルク・液体ミルク、哺乳瓶、使い捨てスプーン・紙コップを準備。離乳食(レトルト・缶詰)は日頃から食べ慣れさせておき、子どもが好きな食品や飲み物も用意しておくと不安の和らげにつながる。
  • 高齢者:食欲低下や体調不良に備え、レトルトのおかゆやインスタント味噌汁など、食べやすいものをストック。
  • 噛む力・飲み込む力が弱い方:市販の介護食品(スマイルケア食)やとろみ調整食品を活用。
  • 慢性疾患のある方:持病の食事療法を継続できるよう配慮。市販の缶詰やレトルトは塩分が多い場合があるため注意が必要。
  • 食物アレルギーのある方:アレルゲンが含まれていないアレルギー対応の粉ミルク、離乳食、パックご飯、フリーズドライ食品などを確実に最低2週間分確保。

食品備蓄は、特別な防災用品を揃えることだけではない。今日からスーパーで缶詰やレトルト食品、お気に入りのスープを1〜2個多めに買うことから始められる。

ご家族の人数や健康状態に合わせた備蓄を行い、ローリングストックを日常に取り入れることで、万が一の災害に備えることができる。